男性はホルモンの関係で女性に比べると薄毛に悩まされる可能性が高いです。薄毛を予防するために、手軽に頭皮のマッサージを取り入れる人も多くいます。髪の毛に良いマッサージの方法と注意点についてご紹介しましょう。
抜け毛の予防に頭皮マッサージ？【ポイントを徹底解説！】
頭皮マッサージが抜け毛を予防する？
抜け毛の予防方法の一つに頭皮マッサージがありますが、実際にどのような作用があり、本当に抜け毛予防になっているのか疑問に思う人もいるでしょう。
マッサージの作用は3つあります。
柔らかい頭皮を作る
1つ目は血行の促進や柔らかい頭皮を作ることにあります。
血行が促進することで、髪の毛に栄養が届きやすくなり、太く強い髪が育ちやすくなる可能性があるのです。
そのため、適切な頭皮マッサージを行うことは抜け毛対策になると考えられています。また、頭皮が柔らかい状態は頭皮全体に血行がめぐっている場合が多く、育毛や発毛の環境を整えるのに理想の頭皮環境といえるでしょう。
ストレスを軽減
2つ目にマッサージにはリラックス効果があり、ストレスを軽減する効果や筋肉の凝りをほぐす役割があります。
ストレスの軽減やリラックスの作用は抜け毛防止にも重要な役割があります。精神的なストレスが積み重なると、自律神経系のバランスが崩れホルモンバランスが崩れると考えられており、それが抜け毛につながるといわれているのです。
皮脂や老廃物対策
3つ目はマッサージにより代謝が活発に行われ、皮脂や老廃物が取り除かれやすくなることです。
毛穴の角栓などが多く不衛生では、髪の毛の成長に関わる毛母細胞や毛乳頭は十分に力を出し切れません。代謝が起こりやすくなることで、新しい頭皮が生まれやすくなり、毛穴つまりも解消されやすくなります。
しかし、体質によっては頭皮マッサージだけでは抜け毛対策にならない可能性があります。
抜け毛や薄毛には、血行不良によって栄養が髪の毛に送られずに丈夫な髪が作られない他にも理由があるのです。
例えば、男性型脱毛症であるAGAは男性ホルモンである「テストステロン」と「5α‐還元酵素」が反応してつくられる「DHT(ジヒドロテストステロン)」の影響で抜け毛が増えます。DHTの生成量が増えることで、ヘアサイクルの成長期が短くなってしまい、弱い髪が作られてしまいます。
テストステロンは血液を介して運ばれてきます。そのため、AGAの人は元凶であるDHTの生成を食い止めなければ抜け毛を予防することは難しく、血行を促進することで抜け毛が増える可能性もあります。
また、薬による副作用や脂漏性脱毛症など、血行不良が問題の抜け毛以外の場合はAGAと同様、原因を取り除かない限り抜け毛の量を減らすことは難しいでしょう。
抜け毛の原因を解明して対策した上で、健康な頭皮にマッサージを行うことで、丈夫で抜けにくい髪の毛を生やすことができます。
頭皮マッサージの方法とポイント
頭皮マッサージの方法はいくつかありますが、主に指の腹を使って全体をもみほぐしていくのが重要になってきます。例えば、指の腹を髪の生え際に当て、頭頂部に向かい全体をもんでいきます。次にもみあげのラインから頭頂部にかけて、側頭部をマッサージしていきます。最後に親指で首の付け根を抑えながら後頭部をもみほぐしていきます。頭皮をもむときは指の腹で小さな円を描くようにしてマッサージをします。マッサージの方向は最終的に頭頂部に向かうようにマッサージをしていきます。
部分的に行う場合、髪の生え際のマッサージでは生え際沿いに指を配置します。親指は耳の上辺りに配置し、小指は生え際の真ん中辺りに配置します。頭皮を上下に動かしながらマッサージを行います。頭頂部のマッサージは両手で頭皮を覆うように指を置きます。少しずつ頭頂部に寄せていくように円を描くようにマッサージをします。頭頂部のマッサージは、頭頂部に指を当て、頭皮をつまむように引き上げるイメージでマッサージを行います。後頭部のマッサージのときに、首の後ろからマッサージを行うのも良いでしょう。
さらにマッサージの作用を高めるため、お風呂に入っているときやお風呂上りに行うのが良いでしょう。お風呂に入り身体が温まっているときは、副交感神経が刺激され、身体はリラックスした状態になっています。リラックスした状態によって、血行が促進され皮膚も柔らかい状態になっているのでマッサージの作用を高めることができます。マッサージのときに、マッサージオイルを使用すると、アロマによるリラックス効果や角栓をとってくれるなどの洗浄効果などが期待できます。マッサージをするときにはリラックスできる環境で行うようにするのが大切です。マッサージは自分で行うこともできますが、人にお願いできるときはマッサージをしてもらうのも良いでしょう。プロのマッサージ師にマッサージをしてもらうと、頭だけでなく全身の疲労を回復させることもできます。全身もみほぐしてもらうことで、さらに頭皮に血液が届くようになります。
効果アップ！？ツボ押しも試してみよう！
頭皮のマッサージに加えて、抜け毛や薄毛に作用するツボ押しを行うのも良いでしょう。抜け毛や薄毛に良いとされるツボは5つあります。1つ目は頭の頭頂部にある「百会（ひゃくえ）」と呼ばれるツボです。両耳の間の中心部分に位置する場所です。ツボの押し方は指の腹を当て、心地よく感じる位の強さで押します。百会には血行促進以外にも、身体の不調を正常に整えてくれると有名なツボの一つです。2つ目は百会に近い場所にある「通天（つうてん）」です。百会の両側、わずか前よりにあります。頭皮の血行を促進し、白髪や抜け毛の防止につながると考えられているツボです。3つ目は首のうなじ部分にあり、2本の太い筋の外側のくぼみにある「天柱（てんちゅう）」です。天柱は自律神経を整える役割やストレスなどの疲労回復、抜け毛予防などの作用があるツボです。4つ目は天柱から指1本分外側にある「風池（ふうち）」です。風池は頭への血行促進の作用があり、百会と一緒に押すことで血行促進をさらに高めることができます。5つ目は足の裏の真ん中で土踏まずのやや上にある「湧泉（ゆうせん）」です。湧泉は血行促進の他に、腎臓の働きをよくするといわれています。
ツボ押しのポイントはマッサージ同様長くやる必要がないことです。マッサージをするタイミングと同じ、お風呂上りやお風呂に入っているときに数分押してみましょう。ツボを押すときは呼吸にも気を使うとリラックスしてツボ押しを行えます。ツボを押すときは息を吐きながら行い、指の力を抜いたときに息を吸うようにしましょう。押し方は主に親指でやや強めに、一押し3秒から5秒を目安に数分間継続して押します。可能なら左右対称にあるツボは同時に押すのが良いでしょう。ツボ押しをする注意点は、ツボ周辺に怪我をしていないか、飲食後やサウナに入った後などは行わないようにしましょう。ツボを押すことで血流があがるので、体温が上がっているときや血行が既に促進されているときは、身体に負荷が掛かるばあいがあるのです。健康なときに行うのが良いので、ツボ押しは無理に病気のときまで行う必要はありません。仕事の合間やちょっとした空き時間に、気軽に行うことでリフレッシュすることができるはずです。
こんな方法はNG！マッサージの注意点
頭皮のマッサージには4つの注意点があります。まず1つ目は、血行促進のためのマッサージは長く行えばよいものではありません。長時間のマッサージは頭皮に負荷をかけてしまうので、5分から10分で終わるように行いましょう。2つ目は、爪を立てないようにしましょう。爪を立ててマッサージを行うと、頭皮を傷つけてしまい乾燥肌になるリスクや爪の刺激によって髪の毛が抜けてしまう危険性、爪によって着いた傷から炎症を引き起こす可能性があります。また、乾燥肌になると「ひこう性脱毛症」になる確率が上がってしまいます。3つ目は頭皮を強く押さないようにしましょう。頭皮を強く推すと、皮膚に負荷をかけてしまいダメージが蓄積してしまいます。強く指の力を使うことで、摩擦により抜かなくて良い髪の毛が抜けることも考えられます。刺激の強さは痛みを感じるよりも軽く心地よい程度に抑えてマッサージをするのが良いでしょう。マッサージを行うときは、優しく心地よい力で行うことをこころがけましょう。4つ目は、マッサージのときに呼吸を止めないようにします。呼吸は正しく行うことでリラックス効果をもたらします。しかし呼吸を止めてしまうと身体がこわばってしまい、マッサージの作用を十分に発揮できなくなってしまいます。ゆっくりと呼吸しながらマッサージを行うようにしましょう。
体の状態によってもマッサージをしない方が良い場合もあります。例えば泥酔状態にマッサージを行うと、血行が良くなりお酒が回りやすくなり危険です。妊娠中の方は、専門のマッサージ師ではない限り無理なマッサージは体調を崩す恐れがあります。病気で高熱がある人も、血行が良くなることでより体温が上がってしまう可能性があります。糖尿病や骨粗しょう症の方はマッサージによって身体に負荷をかけてしまうので、注意が必要です。基本的に身体に異常がみられるときは、マッサージは控えたほうが良いでしょう。マッサージは健康な状態で行なうことで多くのメリットをもたらしますが、体調が悪い場合はデメリットとして働いてしまうのです。
適切な頭皮ケアも忘れずに！
抜け毛の予防はマッサージだけではありません。きちんと頭皮を清潔な状態に保つことや、異常を感じた場合はクリニックや病院に行き頭皮を健康な状態に戻すことが大切です。日頃のケア方法として、シャンプーは頭皮を清潔にするために必要なことでしょう。シャンプーをする際も、マッサージ同様に爪を立てるとか、強く洗うことはやめましょう。できれば、直接シャンプーを頭にかけずに、泡立ててから洗髪をすると髪や頭皮への負担を軽減することができます。また、洗髪時にマッサージを行うと、お風呂でのリラックス効果とマッサージの作用により血行も促進されやすく効率も良いのでおすすめです。シャンプーでしっかり髪の毛を泡立て洗浄したあとは、洗い残しがないようにすすぐようにしましょう。シャンプーが残っていると、頭皮が炎症を起こす可能性があるのです。清潔にするために、1日に何回もシャンプーを行うのは間違いです。シャンプーをし過ぎると、頭皮の保湿に必要な皮脂まで流れてしまいます。皮脂が無くなると乾燥肌になり、ひこう性脱毛症を引き起こすリスクがあります。シャンプーは1日1回で十分ですので、もし汗などをかいて洗髪したいときはシャンプーを使わずにぬるま湯か水で汗を洗い流すのが良いでしょう。
シャンプーをしても頭皮が脂っぽかったり、乾燥してフケが止まらなかったりする場合は医師に相談することが大切です。異常に皮脂を分泌してしまっている可能性や、皮脂が足りなく肌が十分な保湿ができていないことが考えられます。専門の医師に相談することで、適切な対処法や薬を処方してくれます。もしかすると、今使用しているシャンプーなどが原因の場合もあるので、早急に相談をすることをおすすめします。また、頭皮に問題がないのに生え際や頭頂部の薄毛が進行している場合は、AGAの可能性があります。AGAだと専門の薬を使用しなければ、抜け毛を止めることはできません。頭皮環境を整えながら、医師に相談して早めに対処することが薄毛や抜け毛の対策の近道になります。
抜け毛の予防に頭皮マッサージ？【ポイントを徹底解説！】のまとめ
抜け毛予防に使えるマッサージのベストな時間帯はお風呂ですが、慣れるまではいつどのタイミングで行っても良いでしょう。頭皮のマッサージにはリラクゼーション効果もあるので、例えば仕事合間や作業の途中で一息入れたいときに行うと、気持ちのリフレッシュをすることができます。そのとき、意識をし過ぎてやりすぎないようにすることが大切です。また、自分の体調がすぐれないときはマッサージを行わないことも覚えておきましょう。頭皮マッサージのリラクゼーション効果を高めるために、アロマオイルなどを一緒につかうのも良いでしょう。アロマには身体をリラックスさせる作用や代謝を向上させてくれる効果が期待できます。そして、自分の好きな音楽やゆったりとした曲を流すことで、落ち着いてマッサージを行うことができるでしょう。頭皮のマッサージを整える以外にも、栄養バランスを考えた食事をとることや、適度な運動を行うことが髪の毛には良いとされています。日常生活の改善や薄毛対策を病院で行いながら、頭皮マッサージを行ない効率的に抜け毛を予防していきましょう。
