年齢を重ねると五十肩で悩む人が多くいます。ある日気がつくと方が上がらず痛みを生じるということがあります。四十肩との違いはあるのか?すぐにできる治し方や痛みを緩和するストレッチ方法などをご紹介しています。
五十肩になると普段できていた生活ができなくなることがあり、毎日に支障をきたすことがあります。そもそも五十肩になる原因とはどのようなものがあるのでしょうか。ストレッチやツボ、リハビリなどで改善していくものなのでしょうか?
五十肩になる原因とは?
五十肩の原因である姿勢の悪さと体のゆがみを取るために、首から肩にかけての筋肉の緊張をほぐします。
五十肩、つまり正式名称、肩関節周囲炎は、肩の腱や関節包が固くなるものです。これは筋力の低下によって、血行が悪くなったことが原因です。老化がはじまると、身体が思うように動かせなくなり筋力が低下していきます。
五十肩の効果的な治し方とは?
五十肩には安静期と拘縮期があります。
痛みの強い安静期の治し方としては、整形外科やペインクリニックへ行くのがよいでしょう。鎮痛や消炎のために内服薬、湿布などの外用薬を処方してもらいましょう。それでもどうしても痛みがとれない場合は坐薬、注射という手もあります。
稀に切開手術をする患者さんもいます。手術は一時間程度と短時間ですが、その後約一週間入院しなければなりません。切開手術もできますが、五十肩は外科手術をしない治し方で治せる病気です。
痛みがある程度おさまってきた拘縮期には、病院で理学療法士によるリハビリを行います。五十肩の痛みがおさまってきたということは、炎症が治ってきたということです。炎症が治る時に癒着が起きます。そうすると、今度は痛みのためにではなく、癒着のために肩が動かせなくなります。そうならないためにも、拘縮期に適切な治し方をすることが肝心です。
どんな痛みなの?
五十肩の痛みは本当につらいものです。
夜眠れないほどの激痛に悩まされる人も少なくありません。
- ちょっと本棚に本を戻したいだけなのに……。
- 電球を替えたいのに……。
- 趣味のゴルフを楽しみたいのに……。
肩を使う動作は結構日常的で、五十肩の痛みがあると思うように生活できません。この痛みが取れても、肩が動かないのが五十肩のさらにつらいところです。痛みがあるうちは安静にするのも大切ですが、おさまってきたらリハビリしましょう。痛いからと放っておくと、肩は元通り動かなくなります。
もしもリハビリで痛みが出るようなら、主治医に相談しながら無理なく続けて下さい。リハビリで出た痛みが早期に治るようなら、そのままリハビリを続けても問題ない場合が多いです。
ストレッチで対策してみる
五十肩対策ストレッチを行う際には、身体を温めてから行いましょう。
肩に蒸しタオルを掛けて温めてもよいのですが、やはり入浴して全身を温めるのが一番です。入浴後に五十肩対策ストレッチを行っても、浴槽の中で行ってもかまいません。
五十肩の原因である姿勢の悪さと体のゆがみを取るために、首から肩にかけての筋肉の緊張をほぐします。
一つ目のストレッチ
腰を手に当てて肘を前後にゆっくり曲げるものです。肩から二の腕に効きます。
二つ目のストレッチ
首、腕、肩、腰と上半身に効きます。
身体の前で両手の指を組み、胸を反らします。
次に身体の後ろで両手の指を組み、腰から上を前方に倒します。
三つ目のストレッチ
このストレッチもとっても簡単です。
肩の周辺の筋肉を重点的にほぐします。右手で右肩を、左手で左肩をつかみます。
前回りに、それから後ろ回りに、グルグルと回すだけです。
どのストレッチもゆっくり行って下さい。1日5セット以上行うのがオススメです。
五十肩のリハビリとは?
五十肩のリハビリは、昔は、痛くてもどんどんやりなさいという方針で行われていました。そうしないと肩が動かなくなるという理由で、無理なリハビリがされていたのです。
肩を動かして痛みがあるということはつまり、肩を動かす筋肉が伸びるべき方向に伸びないということです。伸びない筋肉を無理に伸ばそうとして、傷めてしまっては大変です。肩の痛みが悪化してしまいます。
五十肩のリハビリが逆効果になってしまいます。
五十肩のリハビリは、痛みがある時期は安静にすべき時期です。肩関節の炎症や痛みを鎮めることに専念しましょう。
しかし、放置しすぎも良くありません。肩関節が固まって動かなくなってしまいます。痛みがおさまった拘縮期には、リハビリを始めましょう。痛みがひどく出ないよう気をつけながらリハビリしましょう。五十肩のリハビリは自宅でも、病院でもできます。自宅では、コッドマン体操や肩を回すストレッチをすることができます。整形外科や接骨院でリハビリしたり、電気を当てることもできます。
[ad#ad-1]効くツボあるの?
五十肩に効くツボはたくさんありますが、ここでは3つお教えします。
肩井(けんせい)というツボ
肩と首の凝りをほぐして、五十肩に効きます。肩の背中側にあります。首のつけねから水平に伸ばした線と肩甲骨の真ん中から垂直に伸ばした線が交差する辺りです。このツボは、太い動脈、静脈があるところなので血流を良くします。
雲門(うんもん)というツボ
肩の関節と鎖骨の間辺りです。鎖骨の下を外側へ向かってたどっていくと、くぼみがありますが、その部分です。肩の凝りをほぐして、五十肩に効いてきます。それ以外にも、咳、たん、鼻水にも効果があります。
天宗(てんそう)というツボ
肩甲骨のくぼみがそうです。これもやはり、肩の凝りをほぐして、五十肩に効きます。
五十肩に効くツボは、親指の腹で5秒程度、押したり、さすったり、もんだりして下さい。
五十肩を改善できる体操とは?
五十肩を改善できる体操に、コッドマン体操というものがあります。
コッドマン体操に、振りこ運動、挙上運動があります。まず振りこ運動をご紹介します。この運動はアイロンを持って行うこともあり、アイロン運動とも呼ばれます。
まず痛くない方の手をテーブルや壁につき、もう片方の手をダラリと下げます。そして腕に力を入れずに、全身を使って前後左右に腕を振ります。痛みがある場合は、ベッドにうつぶせになり、痛い方の腕をベッドから出して行って下さい。
挙上運動は、タオルや棒の両端を持って行います。両手を真っ直ぐ上げては下ろすを繰り返します。痛みがある場合は、仰向けで行ってみて下さい。五十肩を改善できる体操は、身体を温め血行を良くしてから、ゆっくりと行って下さい。
痛みが強い場合には注射で治療
非常に痛みが強い五十肩は、注射で治療できます。
内服薬や湿布などの外用薬でも痛みが取れない場合に使います。注射には、消炎鎮痛剤が入っています。それには、ステロイドと非ステロイドの二種類あって、ステロイドは肩の腱が切れることがあります。副作用として、吐き気や胃痛が起こりますが、注射での治療は短期間ですし注射と同時に胃炎の薬を飲むので心配ないでしょう。
注射による治療は5回ほどで、注射の効果は1時間から2時間です。腕を動かしても痛みがなくなります。その間にリハビリを行います。ただし効果がない人もいるようです。
非常に痛みが強い五十肩は、整形外科やペインクリニックで注射で治療できます。放置しておくと、自然な肩の動きができなくなるので、注射を使った治療も考えてみましょう。
おかしいと思ったら病院で治療
五十肩は病院で治療できます。
自宅でリハビリもいいですが、五十肩を専門にしている病院もありますので、そちらで治療を受けた方が確実に治りますよ。それから、五十肩に似た別の病気が潜んでいる可能性もありますので、そういう観点からも病院での治療をオススメします。
五十肩だと思って放置していたら、実は命に関わる病気で大変なことになるかもしれません。
五十肩と間違われやすい病気には、心臓病や肺腫瘍、リウマチなどがあります。心臓病では背中が痛むことがあり、それを五十肩と勘違いしてしまうのですね。リウマチは全身の関節が腫れて痛むので、五十肩と間違いやすいです。肺腫瘍は胸部が痛むことがあり、肩の痛み、五十肩と間違いやすいです。
四十肩と五十肩の違いとは?
四十肩も五十肩も肩関節周囲炎の俗称であり、病気としては四十肩と五十肩に違いはありません。
三十代から四十代の患者なら四十肩、
五十代以上なら五十肩と言われるようです。
五十肩というのは、古くは江戸時代から使われている呼び方です。一方、四十肩というのは、患者の年齢が下がったため、近年使われ始めた呼び方です。まだまだ現役世代である四十代が四十肩になってしまうのは、運動不足による筋力低下が主な原因です。運動して筋力をつけましょう。若いだけあって、四十代の方が回復が早いです。
五十肩の治し方とは?【痛みを緩和するストレッチやツボ】のまとめ
誰でも起こる可能性がある五十肩。日ごろの予防がもっとも効果的です。