近年電子マネーも普及していますが、電子マネー決済ができない自販機もあり、今でも硬貨は大切で持っていなければ不便なこともしばしばです。しかし、硬貨が増えると重く、小銭入れが膨らむこともあります。お札ほど大切にしていない方もいるようです。
現在、日本のお金には硬貨とお札があり、硬貨の方が古くから使われていました。毎日触れることが多い硬貨について、役に立つプチ蘊蓄(うんちく)を紹介します。
お金の硬貨についてご紹介
現在、日本のお金はお札と硬貨があります。お金は正式には貨幣といい、硬貨は補助貨幣と呼ばれます。
主に少額取引のときに使われているのです。一方、紙幣は紙のお金で日本銀行が発行し、流通させています。硬貨は財務省造幣局で作られ発行されます。
硬貨は金属でできているお金
硬貨は、一般的に合金などの金属で作られた貨幣です。コイン(coin)ともよばれています。もともとの硬貨は、使用された金や銀の価値と硬貨の額面に差が無い本位通貨や、その補助貨幣として鋳造されていました。
しかし、現在は管理通貨制度の下で、貨幣は素材の価値が額面を下回る状態で流通しているケースもあります。
硬貨は長持ちするお金
紙幣は軽く、持ち運びは便利ですが市場で使っているうちに破れたり、汚れたりします。1万円札でも4年~5年の寿命です。
一方、硬貨は金属で作られているので、紙幣に比くらべると丈夫で長い期間使えます。
硬貨の歴史
現在、発見されている硬貨の中で一番古いものは、紀元前7世紀に現在のトルコ西部にあったリディア王国という国で作られた、「エレクトラム硬貨」と呼ばれる硬貨です。
エレクトラム硬貨は金と銀の合金で作られ、重さの異なる硬貨が何種類か作られていました。重さにより貨幣価値も違っていたようです。
硬貨の表面には、リディア王の紋章にあたるライオンの絵柄と、その硬貨の重さが刻印されていました。
日本の硬貨の歴史
日本で初めての硬貨は、歴史の教科書にも出てくる「和同開珎(わどうかいちん)」で、銅銭です。708年(和銅元年)に、現在の埼玉県秩父市で銅が産出されたことで、元号が「和銅」に改められ、この年に銅銭の鋳造が始まっています。
ただし最近の調査で、和同開珎よりも前の7世紀後半に「富本銭(ふほんせん)」と呼ばれる貨幣(硬貨)が、鋳造されていたことが明らかになりました。
富本銭は不明な点が多く、現在の貨幣のように物の交換を仲立ちするために使用されていたのか、祭事で使用されるような宗教的な道具だったのか、はっきりと確認が取れていません。
[ad#ad-1]日本の硬貨の特徴
何気なく無意識で毎日使っている硬貨には、硬貨が誕生した歴史や経緯もあり、以下のような特徴を備えています。
硬貨は丸いお金
日本では明治時代以降、硬貨は全て円形となっています。当時の明治政府が、丸い硬貨の方が四角形に比べて取り扱いやすく便利であり、角がないだけに摩損が少なくなると考えたようです。
穴が開いているお金
日本の5円硬貨と50円硬貨は穴が開いています。一つには他の硬貨と識別を容易にするためですが、偽造防止対策の効果も期待できます。
硬貨の表裏
硬貨には裏表があります。基本的に図柄の描かれている方が表、額面金額が数字で描かれている方が裏です。
硬貨の裏表は法的根拠ではありませんが、これまでの経緯から、年号や額面のある方が裏で、その反対が表として扱われています。
現在日本で流通している硬貨は6種類
現在使われている日本の硬貨は、1円玉・5円玉・10円玉・50円玉・100円玉・500円玉
の6種類です。これらの硬貨は、基本的にはアルミニウム・銅・スズ・亜鉛・ニッケルという5種類の素材を組み合わせで作られています。
1円硬貨
1円硬貨の素材はアルミニウムで重量は1.0g、大きさは20.0mmです。1円玉は、アルミニウム100%でできています。アルミニウムは軽く、加工も簡単で製造コストが安い硬貨です。
5円硬貨
5円硬貨の素材は黄銅(銅60%~70%・亜鉛40%~30%)で、重さは3.75g、大きさが22.0mmです。「黄銅(おうどう)」は、銅と亜鉛の合金で適度な強度があります。また、延性も優れ、加工しやすい金属です。
10円硬貨
10円硬貨の素材は青銅(銅95%・亜鉛4%~3%・スズ1%~2%)です。重さは4.5g、大きさが23.5mmあります。10円玉はスズと亜鉛の割合を5%と少な目にして、10円硬貨の色は、銅に近い赤茶色になっています。
50円硬貨
50円硬貨の素材は白銅(銅75%・ニッケル25%)で、重さは4.0g、大きさは21.0mmです。50円玉にも穴があけられ、わかりやすい特徴になっています。素材の白銅は弱酸や海水に触れても腐食しにくく、高温にも耐える特徴があります。
100円硬貨
100円硬貨の素材は50円硬貨と同じ白銅(銅75%・ニッケル25%)です。重さが4.8g、
大きさは22.6mmです。白銅はフルートなどにも使用されています。銀色に輝く美しい合金です。
500円硬貨
500円硬貨の素材はニッケル黄銅(銅75%・亜鉛12.5%・ニッケル12.5%)が使われ、重さが7.1g、大きさは26.5mmあります。500円玉は2021年上期にリニューアルし、新500円玉は周りがニッケル黄銅、中心部が白銅の2色になっています。
まとめ
紙幣も硬貨もお金は生きていくうえでたいへん重要です。最近は電子マネーも普及していますが使えない場所もあり、硬貨は自動販売機や券売機では必要になります。
日本には6種類の硬貨があり、それぞれに特徴があり、よく見ると手が込んだ仕掛けが施されています。硬貨を大切にしましょう。