睡眠のリズムを崩してしまって「最近なかなかよく眠れない…」このような悩みを抱えていませんか?
慢性的な睡眠不足に陥ると、集中力散漫になる、日中眠たくなるなど日常生活に支障をきたしかねません。眠れなくなる原因はいくつか考えられますが、睡眠リズムの崩れていることが関係しているかもしれません。
ここでは睡眠リズムが崩れるとどうなるのか、崩れたリズムを整えることは可能かについてみていきます。
睡眠リズムが崩れるとどうなる?
私たちには体内時計といって、生活を一定のリズムで回していく機能があります。
しかしこの体内時計がくるってしまうと、睡眠にも悪影響をもたらします。
とくに体内時計に影響を与えるものとして、光があります。
朝光を浴びなかったり、夜に多くの光を浴び続けてしまうと睡眠リズムが崩れてしまいます。
睡眠リズムが崩れると体に多大な影響を及ぼす
睡眠リズムが崩れてしまうと、体にいろいろな影響を及ぼすと考えられています。
皆さん海外旅行の経験はありますか?
海外旅行をした際、しばらく頭がぼーっとする状況が続くでしょう。
これがいわゆる時差ボケです。
時差が大きいと生活リズムがくるってしまうので眠れなくて、寝不足により頭がぼーっとするわけです。
そのほかにも食欲減退、眠りたいのに眠れないといったことが起こりやすくなります。
睡眠リズムの崩れやすい人
実は睡眠リズムが崩れやすい人には特徴があります。
まずはメタボ体型、肥満体型の人です。
次にシフトで働いている人もリズムが崩れやすいです。
確かに日勤や夜勤を繰り返していると、日本に居ながらにしてちょっとした時差ボケが慢性的に起きているようなものです。
しかも睡眠リズムの崩れやすい人は、他にも健康面でリスク要因になりうるといわれています。
まず肥満やメタボの場合、そのほかと比較して糖尿病罹患のリスクが高いです。
またシフトで勤務している人の場合、日勤で勤務している人と比較して発がんリスクが高いといいます。
勤務時間と発がんリスクの関係は、世界的な機関であるWHOでも認められていることです。
このように睡眠リズムが崩れると、ほかの病気の発症リスクにも及ぶわけです。
リズムを整えることが非常に重要であることは認識しておいて損はないでしょう。
概日リズム睡眠障害の可能性も
もし睡眠リズムが乱れているようであれば、それは概日リズム睡眠障害にかかっているからかもしれません。
睡眠障害の一種で、体内時計と昼夜のサイクルが合っていないことによって発症します。
その結果、自分が眠りたいと思っている時間に寝付けずに慢性的な睡眠不足の状態に陥ります。
症状が重たいと、日常生活にも支障をきたす可能性もあります。
概日リズム睡眠障害にはいくつかのタイプがあります。
まずは交代勤務による睡眠障害です。
シフト勤務をしていて、日勤や夜勤など勤務時間帯が定まらない人に起こりやすいタイプです。
体内時計と勤務スケジュールが合っていないことで夜間眠れない、日中に眠気が襲ってくる、それに伴う倦怠感や作業効率の低下などが現れます。
睡眠相後退症候群も概日リズム睡眠障害の一種で、体内時計の遅れが主な原因です。
なかなか寝付けずに、明け方になってやっと眠る、しかも眠ってしまうと昼過ぎまでなかなか目が覚めない状況です。
目覚まし時計などを使って強制的に目を覚ましても寝不足なので、強い倦怠感が襲ってくるでしょう。
睡眠相前進症候群は後退症候群の逆で、早い段階から眠たくなってしまう睡眠障害です。
夕方ごろから眠たくなって寝入ってしまって、深夜や早朝に目が覚めてしまう症状です。
これは体内時計がどんどん進んでしまうことで起こります。
よく高齢者で朝早く起きてしまう人が多いでしょう。
これは睡眠相前進症候群にかかっているからかもしれません。
非24時間睡眠覚醒症候群とは、就寝時間と起床時間が毎日徐々にずれていく症状です。
毎日1~2時間程度遅れていってしまう方が多いです。
これは若者に多く見られる睡眠障害です。
昼夜逆転生活を続けていて、朝日光を浴びずにいると体内時計がリセットされません。
体内時計は24時間で動いているわけではないので、日光によるリセットが受けられずに徐々に実際の時間とずれが生じてしまうわけです。
不規則型睡眠覚醒パターンも概日リズム睡眠障害の一種です。
睡眠と覚醒が昼夜関係なく、一定のリズムで出現しないのが主な症状です。
このため、自分が眠りたいと思っている時刻に眠くならなかったり、起きているときにふいに睡魔が襲ってきたりします。
これは体内時計のリセット機能が弱体化していることで発症します。
脳梗塞患者などに時折見られる症状といわれています。
睡眠リズムを戻すには?
睡眠リズムが崩れてしまうと、夜なかなか寝付けない、もしくは昼間に睡魔が襲ってくるなどの不具合が発生します。
そのほかにも体の不調の原因となりうるので、睡眠リズムを整える必要があります。
実はいったん睡眠リズムがくるってしまっても、戻すことはできます。
もし睡眠障害に苦しんでいるのであれば、以下で紹介する方法で睡眠リズムを戻してみませんか?
朝光を浴びること
私たちの体内時計は約25時間といわれています。
ですから1日24時間なので、そのままにしているとどうしても1時間ずつずれていってしまいます。
このずれをリセットできるのが、光です。
もし朝起きて、夜眠りたければ朝起きた時に、まず部屋に朝日を取り込むことです。
朝の光をいっぱい浴びることで、体内時計をリセットして、正しい時間帯に眠気が襲ってきやすくなります。
せっかく朝日光を浴びても、夜に光を浴びてしまっては元も子もありません。
ですから夜眠る前にはできるだけ光を浴びないようにすることも大事です。
特にパソコンやスマホの画面を見ないように心がけて下さい。
パソコンやスマホの画面からはブルーライトといって、脳を覚醒させる光が放出されているからです。
規則正しい生活リズムを心がける
平日仕事で忙しいと、睡眠時間をなかなか確保できないでしょう。
そこで休日に取り戻そうとして、いつもよりも遅く起きている人はいませんか?
また休日前、翌日朝早く起きる必要はないのでついつい夜更かししている人もいるでしょう。
しかし休日と翌日でスケジュールが大きく違ってしまうと、夜眠れなくなったり、昼眠たくなったりします。
そうならないためにも毎日同じような時刻に起きて眠るように心がけましょう。
平日と休日、全く同じ時刻に起きる必要はありません。
ただし1~2時間程度のずれにとどめておきましょう。
規則正しい食事を心がける
食事を規則正しくとることも、睡眠リズムを整えるために欠かせないことです。
忙しいとついつい朝食は抜きにしたり、飲み物だけで済ませたりしていませんか?
このようなことをしていると、リズムがどうしてもくるってしまいます。
また朝食抜きにすると、前日の夜から一切食事をとっていないことになります。
長時間栄養補給ができないとエネルギーが産生できなくなり、午前中集中力散漫になるなどのトラブルも起こりやすくなります。
1日3食、できるだけ同じ時間で食べる習慣をつけましょう。
睡眠リズムに理想はあるの?
このような疑問を感じている人もいるでしょう。
何時に眠って何時に起きるなどは個人差があるので、一概には言えません。
しかし人間の性質上、起きて何時間後には眠りについた方がいいといった理想的なリズムはあります。
毎日その通りに過ごせないかもしれませんが、頭に入れておいてできるだけ理想に近づくように努力してください。
体内時計と睡眠リズムを理解しよう
ここでも何度か紹介しているように、体内時計には活動モードとお休みモードがあります。
活動モードは起床から12~13時間程度といわれています。
これ以降はお休みモードに突入して、眠たくなっていきます。
ちなみに朝7時に起きる習慣のある人の場合、活動に適しているのは19~20時となります。
これ以上は眠気が襲ってくるので、どうしても作業効率はダウンしてしまいます。
とくに3~4時間経過した22~23時になると、かなり眠たくなって集中力も散漫になりがちです。
ですから仕事や勉強を残しているのであれば、夜中無理して作業するのはおすすめできません。
むしろ早めに眠って、いつもより早めに起きて作業したほうが作業もはかどるはずです。
理想の睡眠時間はある?
睡眠にはノンレム睡眠という深い眠りとレム睡眠と呼ばれる浅い眠りがあります。
これが一定のリズムで交互に現れます。
まずはノンレム睡眠で深い眠りに陥って、しばらくするとレム睡眠といって浅い眠りがしばらく続きます。
そしてまたノンレム睡眠になって、これを繰り返しています。
ちなみにノンレム睡眠でも深さは異なります。
最初のうちが最も深い眠りで、徐々にノンレム睡眠も浅くなり、朝目覚めやすい環境を作るわけです。
ノンレム睡眠とレム睡眠はワンセットで90分くらいといわれています。
そして一般的にはこのサイクルを4~5回繰り返すと、目覚めがよくなるといわれています。
サイクル4~5回となると、睡眠時間は7~8時間です。
ですから睡眠時間は7~8時間が理想といわれるわけです。
しかし中には4~5時間眠れば十分なショートスリーパーや9時間以上眠らないといけないロングスリーパーの方がいます。
この差は、先ほど紹介した睡眠サイクルに違いが見られるためです。
ショートスリーパーはノンレム睡眠が長いので短い睡眠時間でも、ぐっすり眠ってしまいます。
一方ロングスリーパーはレム睡眠の方が長く、浅い睡眠が主なのでより長く眠る必要があるわけです。
自分はどちらのタイプなのかをまずは理解しておくといいでしょう。
ただしロングスリーパーでも1回の睡眠は8時間を上限とした方がいいでしょう。
これ以上一度に睡眠をとると、睡眠の質が落ちてしまうからです。
このため長時間睡眠しても、熟睡感がなくなってしまうわけです。

睡眠リズムを整えるには薬がおすすめ
なかなか眠れない場合の治療法として、よく使われるのが睡眠薬です。
しかし睡眠薬を摂取するのはためらわれるという人も多いでしょう。
- 「睡眠薬依存になってしまうのでは?」
- 「副作用に悩まされるのではないか?」
このような心配をする人もいるでしょう。
ただし睡眠薬の中には、睡眠リズムを整える効果の期待できるものもあります。
必要に応じて睡眠薬を服用するのも、睡眠対策としては有効です。
睡眠薬とは?
睡眠薬は「睡眠導入剤」とも呼ばれますが、なかなか寝付けない人のために眠りやすい環境を作るための薬です。
もし慢性的に寝不足の状態に陥っていると心身の疲労回復が遅れます。
結果的に集中力が低下したり、自律神経のバランスを崩したりしかねません。
睡眠薬で眠りに落ちやすい環境を整え、睡眠の質を改善することで睡眠障害を改善していくわけです。
睡眠薬の種類
睡眠薬と一言で言っても、いろいろなものが販売されています。
しかし睡眠へのアプローチを見ると、大きく2種類に分類できます。
それは脳の機能を低下させるもの、自然な眠気をもたらすものの2種類です。
脳の機能を低下させるとは、神経活動を抑制させることで催眠作用をもたらします。
疲れているときに何も意識せずに寝落ちしてしまうこともあるでしょう。
あのような状態を引き起こす睡眠薬といえます。
脳の機能を低下させるため、少し強引なアプローチといえます。
一方後者の自然な眠気を催す睡眠薬は、本来の眠気を強めます。
睡眠リズムを整えたければ、後者の眠気を催す睡眠薬を使用するといいでしょう。
特におすすめなのは、ロゼレムと呼ばれる睡眠薬です。
ロゼレムはメラトニンの働きを活性化させる効果があります。
メラトニンが分泌されると眠気を催すのですが、高齢になると分泌量が減少してしまいます。
そこでメラトニンの分泌を活性化させることで、眠気を催しやすくします。
またメラトニンには体内時計のリズムにもかかわっているので、睡眠リズムを整えるのにおすすめです。
睡眠リズムが崩れるとどうなる?効果的にリズムを整える方法をご紹介!のまとめ
体内時計は1日25時間程度とずれが生じます。このずれをリセットするために必要なのは、光です。
もし睡眠リズムがくるってなかなか寝付けなければ、朝に光を浴びて夜光を極力見ないようにすることが重要です。
睡眠リズムを整えて、毎日スッキリ目覚められるように努力しましょう。<img