老後に備えるため資産運用について勉強したい、上手に家計をやりくりするため家計管理を学びたいという方がいらっしゃいます。
そうした方におすすめなのがお金にまつわる資格を身に付けることです。
お金にまつわる資格があれば、自分でその知識を使うことはもちろん、その資格を活かして就職や転職することもできます。
しかし、お金にまつわる資格には何があるのか知らないという方がいらっしゃいます。
そこで、本記事ではお金にまつわる資格を5つ紹介します。
社会人や主婦でも取得可能な資格を紹介していますので、お金についての資格に興味がある方はこの記事を参考にしてください。
お金にまつわるおすすめの資格5選!難易度は?
社会人や主婦でも取得を目指せるお金にまつわる資格には以下のものがあります。
- ファイナンシャルプランニング技能検定(FP)
- 日商簿記
- 外務員
- 投資診断士
- 年金アドバイザー
それぞれの資格について具体的な内容、難易度などを紹介します。
ファイナンシャルプランニング技能検定(FP技能検定)
ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP技能検定)は、厚生労働大臣より日本FP協会が指定試験機関の指定を受けて実施する国家検定です。
FP技能検定には、1級、2級、3級の等級があり、それぞれに学科試験と実技試験が設けられています。
ファイナンシャルプランナーの資格を取得すれば、投資・保険・年金・税金・生活設計などお金にまつわる専門知識を活かして、資産運用に関する相談に対応し、的確なアドバイスをおこなう仕事です。
したがって、ファイナンシャルプランナーの資格は、金融や保険業界への就職・転職に有利な資格になります。
ファイナンシャルプランニング技能検定の難易度
日本FP協会は、ファイナンシャルプランニング技能検定の合格率を公式サイト上で公開しています。
2023年5月に実施された3級FP技能検定と2級の試験結果は以下の通りです。
【3級FP技能検定】
受験申請者数 | 受験者数(イ) | 合格者数(ロ) | 合格率(ロ/イ) | |
学科試験 | 42,476 | 35,568 | 31,388 | 88.25% |
実技試験 | 41,640 | 34,759 | 30,182 | 86.83% |
【2級FP技能検定】
受験申請者数 | 受験者数(イ) | 合格者数(ロ) | 合格率(ロ/イ) | |
学科試験 | 30,511 | 24,727 | 12,072 | 48.82% |
実技試験 | 27.999 | 22,167 | 12,991 | 58.61% |
※出典:日本FP協会
1級FP技能検定の学科試験は、一般社団法人金融財政事情研究会により実施されており、その合格率も公表されています。
2023年1月に実施された学科試験の結果は以下の通りです。
受験申請者数 | 受験者数(イ) | 合格者数(ロ) | 合格率(ロ/イ) | |
学科試験 | 9,720 | 6,140 | 638 | 10.38% |
※出典:一般社団法人金融財政事情研究会
2022年9月実施の実技試験(資産設計提案業務)の試験結果は以下のようになっています。
受験申請者数 | 受験者数(イ) | 合格者数(ロ) | 合格率(ロ/イ) | |
実技試験 | 1,213 | 1,198 | 1,186 | 99.0% |
※出典:日本FP協会
3級FP技能試験の合格率は実技・学科とも、80%台で受験した人のほとんどが合格しています。
そうした意味ではしっかり勉強すれば取得しやすい資格と言えるでしょう。
一方、2級については学科・実技が50%前後の合格率で、1級の学科については10%台です。
合格率が1桁という国家資格も少なくありませんから、それらと比較すると、きちんと時間をかけて勉強し実力を身に着ければ取得できる国家資格になります。
日商簿記
簿記は、企業の経営活動を記録・計算・整理して、企業の経営成績と財政状態を明らかにする技能です。
簿記の習得度を測るのが日商簿記検定試験で、初級・3級・2級・1級があります。
簿記の資格を取得すれば、企業の経理事務に必要な会計知識だけではなく、財務諸表を読む力、基礎的な経営管理や分析力が身につきます。
日照簿記は、公認会計士や税理士などの国家資格を目指す方、キャリアアップを考えている方にとっては必須の資格です。
日商簿記の資格は、会計事務所や税理士事務所への就職や転職、企業の経理業務、コンサルタント業務、会計業務などの仕事に活かすことができます。
日商簿記の難易度
日商簿記試験の初級・3級・2級・1級における最新の合格率は次の通りです。
【初級】
期間 | 受験者数 | 受験者数(イ) | 合格率(ロ/イ) |
2022年4月1日~2023年3月31日 | 3,353 | 2,062 | 61.5% |
【3級 統一試験】
回(期間) | 受験申請者数 | 受験者数(イ) | 合格者数(ロ) | 合格率(ロ/イ) |
164回(2023年6月11日) | 31,818 | 26,754 | 9107 | 34.0% |
【2級 統一試験】
回(期間) | 受験申請者数 | 受験者数(イ) | 合格者数(ロ) | 合格率(ロ/イ) |
164回(2023年6月11日) | 10,618 | 8,454 | 1,788 | 21.1% |
【1級 統一試験】
回(期間) | 受験申請者数 | 受験者数(イ) | 合格者数(ロ) | 合格率(ロ/イ) |
164回(2023年6月11日) | 11,468 | 9,295 | 1,164 | 13.5% |
※出典:日本商工会議所・各地商工会議所
最新の日商簿記の合格率は初級60%台ですが、3級は34%、2級は20%台、1級は10%台前半となっています。
1級の試験は会計や原価計算などについて専門的な知識が必要であり、なおかつ出題範囲も広いので独学だけで試験突破を目指すには難易度が高いといえるでしょう。
日商簿記の試験合格を目指すなら、通信講座やオンライン講座、資格取得スクールの利用をおすすめします。
外務員
外務員(証券外務員とも呼ばれる)とは、銀行や証券会社などで、顧客に対して株や債券などの金融商品の勧誘・販売をする者を指します。
外務員の資格を得てその仕事をおこなうには、日本証券業協会が運営する外務員資格試験に合格しなければなりません。
その後、所属している協会員を通じて本協会へ外務員登録申請を行い、外務員登録を受ける必要があります。
一般の方が受験できるものには、二種外務員資格と一種外務員資格があり、一種外務員資格は、二種外務員資格の上級資格です。
一種外務員資格があれば、二種外務員資格で行うことのできる外務員の職務に加え、信用取引、デリバティブ取引を含めたすべての有価証券に係る外務員の職務がおこなえます。
※出典:日本証券業協会
[ad#ad-1]外務員資格試験の難易度
日本証券業協会は外務員資格試験の合格率を公表しています。
2022年度の試験の結果は以下の通りです。」
受験者数 | 受験者数(イ) | 合格率(ロ/イ) | |
一種外務員資格試験 | 4,533 | 3,198 | 70.5% |
二種外務員資格試験 | 2,413 | 1,700 | 70.5% |
※出典:日本証券業協会
一種・二種外務員試験の両方が合格率70%台です。
これは銀行や証券会社などで働く方のキャリアアップに必要な資格となっているので、受験者のモチベーションが高いことが理由と考えられます。
投資診断士
投資診断士とは、投資を検討している方、投資を検討しているが踏み出すのが怖いという方、投資で後悔したくない方などに投資についてアドバイスするための資格です。
NISAやiDeCoといった投資にまつわる新たな制度、仮想通貨などの新しい投資手法、IT技術を活用した投資手法が増加しているといった理由から、投資にまつわるアドバイスを必要としている方が増えています。
そうした中で、投資診断士は注目されているお金にまつわる資格です。
投資診断士は一般社団法人投資診断協会が運営している資格です。
この資格を取得すれば投資についての知識を自分のために使うことできるのはもちろん、投資の専門家として企業や教育現場で講師の仕事などをおこなうことができます。
※出典:一般社団法人投資診断協会
投資診断士の難易度
投資診断士の試験を実施している一般社団法人投資診断協会は、試験の合格率を公表していません。
しかし、投資診断士はそれほど難易度の高い資格ではないと言えます。
なぜなら、一般社団法人投資診断協会から送られてくる研修教材を使えば、テキストとe-ラーニングの両方で勉強することができるからです。
仕事が忙しい会社員、主婦や学生でもスキマ時間を活用し、最短3週間で資格取得を目指せます。
年金アドバイザー
年金アドバイザーは、銀行業務検定試験に含まれる資格の1つです。年金に関する知識の習得度合いや実践力が問われます。
銀行業務検定試験の主な受験者は銀行・保険・証券などの金融機関で働いている方ですが、金融機関で働いていない一般の方も受験しています。
年金アドバイザーは4級・3級・2級があり、2級が最上位です。
※出典:銀行業務検定協会
この資格があれば、金融機関で働いていなくても、会社の総務部などで働いていれば、従業員からの年金相談を受けることができます。
年金アドバイザーの難易度
銀行業務検定試験協会は、2023年5月26日付で、最新の年金アドバイザー2級・3級・4級の試験の結果を公表しています。
応募者数 | 受験者数(イ) | 合格者数(ロ) | 合格率(ロ/イ) | |
2級 | 1,114 | 864 | 177 | 20.49% |
3級 | 3,601 | 3,075 | 727 | 23.64% |
4級 | 839 | 768 | 332 | 43.23% |
※出典:銀行業務検定協会
年金アドバイザー4級の合格率は40パーセント台ですが、3級・2級は合格率20%台なので難易度が高いと言えます。
金融機関で働いた経験がない状態で資格取得を目指すなら、4級をまず取得するのがおすすめです。
4級は、年金の基礎的な知識についてその習得程度を測定することが目的なので、出題レベルが低く設定されています。
試験形式も3答択一式となっており、5答択一式の3級と比べると、試験形式の面でも簡単な試験だからです。
まとめ
この記事では、お金にまつわるおすすめの資格を5つ紹介しました。
今回紹介した資格の中には、学生や主婦がスキマ時間を活用し取得できる資格もあれば、ある程度の期間じっくり勉強して資格取得を目指す難易度の高い資格も含まれています。
お金にまつわる資格を取得すれば、資格を活かして就職や転職、今の職場でのスキルアップができるでしょう。