抜け毛が気になるからといって、シャンプーや育毛剤ばかりに目がいっていませんか?実はあなたの抜け毛、食生活の偏りが原因かもしれません。是非髪の毛に必要な栄養素を意識して、体内から抜け毛対策をしていきましょう。必要な栄養素が多く含まれているオススメの食べ物や、メニューをご紹介します。
食事と髪には密接な関係が!
髪の毛は見えている部分ばかりに目がいきがちで、ついつい育毛剤やシャンプーに手を出してしまいます。しかし、髪の毛をつくる体内にも目を向けなければいけません。
髪の毛の主な成分はタンパク質です。もう少し細かく言えば、タンパク質を構成するアミノ酸が必要になります。アミノ酸には体内で合成できるものと合成できないものがあり、体内で合成できないアミノ酸が不足すると髪の毛が弱くなり、抜け毛につながります。
また、材料があればそれで良いのではありません。その材料を組み合わせるのが亜鉛です。亜鉛はアミノ酸が組み合わさってタンパク質になる時、その手助けをします。さらに、その亜鉛の働きを助けるのがビタミンです。
つまり、
これらのタンパク質・亜鉛・ビタミンの3つの栄養素が十分に備わって初めて髪の毛が作られる条件が整った
と言えます。
さらに、亜鉛には抜け毛の原因となる酵素の働きを抑制する効果があると言われています。加えて、ビタミンにも血行促進や老化予防などの効果があり、髪の毛の材料としても、抜け毛対策としても重要な栄養素と言えます。
では、タンパク質・亜鉛・ビタミンの3つについて詳しく見ていきましょう。
タンパク質が多い食べ物
タンパク質は髪の毛をつくる材料として一番重要なものです。お肉や牛乳、大豆製品などに多く含まれており、比較的食べる機会が多い食品ばかりです。そのため、タンパク質不足は起こりにくいように感じるかもしれません。
しかし、例えば
- ダイエット中
- 運動を定期的に行う
- お肉類をあまり食べない
などの方は要注意です。
タンパク質の1日当りの摂取量の目安は、
- あまり運動をしない方で体重×1.08g
- 良く運動をする方で体重×1.2g
- 習慣的に激しい運動をしている方や、筋肉質の方は体重×1.5~2.0g
と言われています。例えば、あまり運動もせず普通体型の方で、体重が60kgの場合、60×1.08g=64.8gが1日の目安摂取量となります。
それでは、どれくらいの量の食品をを食べれば良いのでしょう。
代表的な食材として
- お肉は100gあたり15~20g
- 納豆は100gあたり5~8g
- 牛乳は200mlあたり6g
- 卵は1個あたり6g
のタンパク質が含まれています。また、主食となるご飯にも100gあたり2.7gのタンパク質が含まれています。タンパク質はほぼ毎日のように食べる食品にしっかりと含まれているので、普通に食事していればあまりタンパク質不足になりにくいことが分かると思います。
しかし、気をつけなければならないのがその食品の摂りすぎによる悪影響です。例えば、お肉はタンパク質も豊富ですが脂肪も同時に多く含んでいます。
脂肪は血液の流れを悪くする原因にもなるので、お肉を食べる際にはささみなど脂肪の少ないものを選ぶと良いでしょう。
亜鉛が多い食べ物
亜鉛には
- タンパク質の合成を助ける
- 抜け毛に関係する酵素の働きを抑制する
効果があります。
亜鉛を多く含んでいる食品は、
- レバー
- 牡蠣
- うなぎ
- パルメザンチーズ
などです。
また、1日の目標摂取量は男性が12mg、女性が9mgとなっています。しかし、現実的には目標摂取量に届いている人は少なく、平均摂取量は男性が9mg、女性が7mgとなっています。亜鉛は意識的に摂取しないといけないということが分かります。
では、どのような食品にどれくらい亜鉛が含まれているのでしょうか。実は、主食であるご飯にも100gあたり0.6mgの亜鉛が含まれています。また、食パンにも100gあたり0.8mgの亜鉛が含まれています。しかし、これらで亜鉛を摂取しようとするなら男性で2kg近く食べなければいけません。
そうなると、含有量が多い食品で効率よく亜鉛を摂取することが必要になります。牡蠣には100gあたり13mgもの亜鉛が含まれており、すぐに目標摂取量を達成できますね。
他にも、
- 牛肉には100gあたり5.7mg
- レバーには100gあたり6.9mg
- パルメザンチーズには100gあたり7.3mg
もの亜鉛が含まれています。是非自分の好きな食品で効率良く亜鉛を摂取したいものです。特にストレスを感じている時やお酒を飲んだ時は亜鉛の消費量が多くなりますので、いつもより意識的に食べるよう心がけましょう。
ビタミンが多い食べ物
髪の毛はタンパク質が材料となり、そのタンパク質を作るには亜鉛が必要です。さらに、その亜鉛の働きを支えるのがビタミンです。ビタミンという言葉自体はよく耳にすることがあると思いますが、その中でもビタミンB群、ビタミンEとビオチンについて注目したいと思います。
ビタミン類ですが
- ビタミンB2は脂質の分解
- ビタミンB6はタンパク質の代謝
を助けることで髪の毛にエネルギーを供給し、健康状態を維持する働きをします。特にビタミンB2は髪の毛の再生にも関与しており、健康な髪を維持するのにとても重要です。
ビタミンEには抗酸化作用があり、血管内の余分なコレステロールを排出します。さらに、毛細血管を広げる効果もあるため、髪の毛に十分な栄養を運ぶ環境を整える重要なビタミンなのです。
ビオチンは細胞を活性化させ、新しい皮膚をつくるので頭皮にも良いですし、コラーゲンやセラミドなどの生成にも関わっています。髪の毛にはコラーゲンが必要ですので、ビオチンはしっかりと摂取しておきたいビタミンの1つです。また、ビオチンは不足すると抜け毛の直接的な原因となり、悪影響を及ぼしてしまうことにも注意しておきましょう。
ビタミンB2は
- レバー
- うなぎ
- 納豆
- 卵
などに、ビタミンB6は
- レバー
- カツオ
- マグロ
などに多く含まれています。
ビタミンEは
- ナッツ類
- 植物油脂
- カボチャ
などに、ビオチンは
- レバー
- 大豆
- 卵
などに多く含まれています。
抜け毛が増えるかも?脂肪の摂りすぎはNG!
ファーストフードやインスタント食品は、早くて手軽に食べられるうえに美味しいですよね。しかし、どうしても多く摂取することになってしまうのが脂肪です。
人間が美味しいと感じるものには糖や脂肪が多く含まれていることが多く、また脂質は三大栄養素の1つに数えられるなど、人間が生きていくのに必要なエネルギーの素となる欠かせない栄養素です。ただ、摂りすぎると悪影響が出やすいのも脂肪の特徴です。
余分な脂肪は血管内に溜まっていき、血液の流れを悪くしてしまいます。髪の毛付近にあるのは毛細血管であるうえ、そもそも血液の流れる管が細いため、詰まると血液がほとんど流れなくなります。毛細血管の血流が滞ると、頭皮へ十分な栄養が行き渡らなくなり、髪の毛は伸びることができなくなり抜け落ちてしまいます。
また、逆に脂肪はエネルギー源でもあるため、髪の毛の成長を早めてしまう場合もあります。髪の毛には毛根ごとに抜けたり伸びたりする周期があるのですが、この周期を乱してしまい抜け毛が多くなってしまうこともあります。
抜け毛の予防に!試してみたい食事メニュー!
これまで、亜鉛、ビタミン、タンパク質の抜け毛予防に効果的な栄養成分と、それらが含まれる食べ物をご紹介してきました。しかし、食品は分かっても実際どのようにして料理にすれば良いのか悩むことがあるかと思います。亜鉛、ビタミン、タンパク質がバランス良く含まれているメニューをいくつかご紹介したいと思います。
タンパク質の多い鶏肉は、パプリカなどの緑黄色野菜と炒めればビタミンも同時に摂取できます。ニンニクを入れれば食欲をそそる一品になりますね。
亜鉛が多く含まれている牡蠣は、生でも美味しく食べられますが、火を通した方が安心という方にはアヒージョがオススメです。一緒にしいたけやしめじなどのキノコ類を入れ、オリーブオイル、ニンニク、鷹の爪、塩こしょうで味を整えればできあがりです。
また、うなぎで亜鉛を摂ろうとお考えであれば、うな玉丼がオススメです。タンパク質と亜鉛を同時に摂ることができるため、ただの鰻丼にしないところがポイントです。
また、スイーツ感覚でビタミンを摂取したい方はナッツの蜂蜜漬けなどもオススメです。ヨーグルトなどの乳製品と一緒に食べればタンパク質とビタミンが同時に摂取できます。
多くの栄養が含まれているレバーはレバニラ炒めがオススメです。定番料理ですが、ニラのビタミンCが亜鉛の吸収を助けてくれるという相乗効果が期待できるのですばらしい組み合わせです。
また、
これはNG!食べ方を意識して!
これまで食べると良い食べ物を紹介してきましたが、いくら良いとは言っても食べ方、摂取量も大切です。1度に大量に食べるのではなく、1日3食を心がけ、なるべく決まった時間に食事をしましょう。
規則正しい食事は体が食べ物の入ってくるタイミングを覚えるので、スムーズな消化につながります。また、食べる順番も大切です。血糖値の急上昇は血管に悪影響を及ぼし、血液の流れを悪くします。野菜から食べ始めて、血糖値の上昇を緩やかにしましょう。
そして、食べるタイミングも重要です。寝る直前に食事をすると、食べたものはエネルギーとして使われず貯めるしかないため、脂肪として体に蓄えられやすくなります。折角体に良いとされるものを食べても、脂肪になってしまうのでは意味がないので、せめて寝る2~3時間前には食事を終えておきましょう。
次に、食べ方だけでなく食事内容にも気をつける必要があります。食材の組み合わせが良くても味付けが濃いと動脈硬化などを招きやすく、血液の流れが悪くなります。また、お肉には脂肪も多いですし、揚げ物やファストフードにも油や塩分が多く使われています。
肥満体型の方は血液内のコレステロール値が高いことが多く、血液の流れが妨げられている可能性が高いと言えます。
食材のみに気を遣うのではなくその調理方法も気をつけ、体重が増加しているようであれば食事内容をもう一度見直してみましょう。
栄養の摂りすぎは逆効果のパターンも
亜鉛、ビタミン、タンパク質、それぞれ体に良い栄養なのですが、摂りすぎると逆効果を招く可能性もあります。
亜鉛は短期的に過剰摂取してしまっても特に問題はありませんが、継続して過剰摂取していると
- 頭痛
- 嘔吐
- 神経障害
- 倦怠感
- 腎臓の障害
などの症状が現れる可能性が高くなります。
ただ、食事から過剰摂取はしにくく、サプリメントなども用量を守っていればそこまで心配するものではありません。
ビタミンですが、ご紹介したビタミンB2、ビタミン6、ビオチンは水溶性のため、過剰分は尿として排出されるため問題ありません。
しかし、ビタミンEについては脂溶性のため、過剰分は脂肪や肝臓に蓄えられてしまいます。ビタミンEが過剰にあると、
- 筋力低下
- 疲労
- 吐き気
- 下痢
などの症状が出る危険性があります。
また、見逃せない影響として、
- 骨粗しょう症になりやすくなる
- 血液が固まりにくくなる
ということがあります。こちらも食品から過剰摂取してしまうことは考えにくいですが、サプリメントなどを飲んでいる方は注意しましょう。
最後にタンパク質についてです。タンパク質は摂取すると体内で一旦アミノ酸に分解されます。その後、体に必要なタンパク質に再合成されるため、タンパク質の量が多いと分解、合成に内臓が疲れてしまいます。また、タンパク質を多く含む食品はカロリー量が多いこともあるので、知らぬうちに肥満や血液コレステロール値の増加を招いてしまう可能性があります。
できるだけ油を使わず、脂肪の少ない食品にするなどの工夫が必要です。
毎日の食事を見直して抜け毛を予防!
ここまで抜け毛予防のための栄養や食べ物をご紹介してきましたが、これらを実践することはそのまま良い食生活につながります。抜け毛予防に気をつけた食生活が、健康増進にもつながります。
脂質を抑え、タンパク質を多く摂り、ビタミン類が多く含まれている緑黄色野菜をできるだけ毎日、規則正しい食事リズムで食べることが大切です。また、亜鉛は牡蠣などに多く含まれていますが、なかなか毎日続けて食べることは難しいですよね。
亜鉛のように、不足しがちな栄養素はサプリメントで補うと良いでしょう。
抜け毛の予防に!知っておきたい食べ物&メニューとは?のまとめ
抜け毛予防に効果がある食品も摂りすぎはもちろん良くありませんが、1日の摂取量を守っていればそこまで心配することではありません。抜け毛予防もしつつ、体に良い食事で健康にもつなげていきましょう。