お金を使い過ぎる人はたまに見かけますが、その逆で「お金を使えない」人もいます。お金をすべて計画的に管理するのではなく、とにかく「お金が使えない」という状態になるのです。
そのような、お金を使わないタイプの人のなかで、やり過ぎといえるような状態になるのが「お金使えない症候群」と呼ばれる症状です。
節約好きのレベルではない「お金が使えない」症状について紹介します。
お金使えない症候群とは?
「無駄遣いをせずに節約する」という生活は、日本人の美徳ともされる節約で、もったいない精神の延長とも取れます。
しかし、お金に関して「節約」が過剰になり、節約レベルを超えると「貯金をいくらしても止まらない」「お金が使えない」「お金が減るのが怖い」状態まで進み、日常生活に影響が生じるようになるのです。
このような「お金を使えない人たち」は「お金使えない症候群(節約症候群)」と呼ばれます。
お金使えない症候群の典型的な症状
実際には個人個人のケースで異なりますが、「お金使えない症候群」の症状の一例が、「欲しいものを買うのは良くないこと」という、決して正しくない認知の歪みです。
とにかく安い物を買う
買い物をするときは、まず値段を確認して安いことを確認し、食べ物については、味にかかわらずとにかく安い食品を買うようになります。
廉価な買い物も悩む
何となく食べたいと思う数百円の商品でさえも、購入するのに後ろめたさを感じることや、買ったとしても、購入したことを悩むことがあります。
冷暖房を我慢する
日常生活が快適になる冷暖房のエアコンも、使うと電気代が掛かることから、使用せずにひたすら我慢するようになります。
娯楽も十分に楽しめない
旅行に出かけてもお金のことを気にして十分に楽しめないことが多くなります。また、事前に値段のリサーチを十分に行い、あくまで格安コースを選ぶようになるのです。
友人や同僚を避けるようになる
友人や同僚から、外食や飲み会や旅行の誘いがあってもお金が掛かることから断り、友人や同僚との接触も避けるようになる傾向があります。
ボロボロになっても使い続ける
明らかに使用可能な限界を超えた衣料品や靴や日用品を、ボロボロになっても使い続け、自分の衣料品や身の回りの品物にお金をかけなくなります。
お金を使うことが恐怖になる
お金使えない症候群で怖いのは、お金を使うことに焦りや、恐怖を感じる点です。必要な物を買うためにお金を使うことまで恐怖感が起こり、日常生活に支障が出てくることもあります。
このような症状が「お金使えない症候群」の典型的な例ですが、実際にはこの他にも個人によってさまざまな症状が起きることもあります。
[ad#ad-1]お金使えない症候群を発症する原因
お金使えない症候群を発症させるか人々には、同じような経験があります。
以下で詳しく紹介します。
将来への不安が大きくお金を使えない
程度の差はありますが、誰もが将来に不安を持っています。そのようななか、漠然とした将来への不安感から「お金を貯めなくては」と強く考える人がいるのです。
その人たちは、将来の不安解消目的でお金を使わず、モーレツに貯金に励み、お金使えない症候群を発症せせることがあります。
生まれ育った家庭の影響がある
子どもの頃に、自分の欲しいものを買ってもらえなかったり、お金の使い方に厳しい家庭で育ったりした人は、「お金を使うことがよくないこと」と考える傾向があります。その思いが行き過ぎて、必要な出費まで後悔するようになり、自分を責めるのです。
お金を貯めることが自己目的になっている
お金を貯めることが唯一の生き甲斐となるケースがあります。社会的な地位が低い場合や、自己肯定感が低く、自分に自信がない場合は「お金を貯める」行為が、自分のアイデンティティになってしまうことがあり、お金を使わないことが自己目的になることもあります。
お金使えない症候群の治し方とは?
お金使えない症候群は幼児期の生活環境が影響し、精神面の問題だけに、克服することは困難な面もあります。しかし、克服方法はあるのです。
貯金計画の見なおしをする
お金使えない症候群の人は、収入に比べると貯蓄の比重が高くなっています。その貯蓄は貯蓄計画を基に行っているというよりも、単純に貯蓄に回しているケースが多くみられるのです。
そこで、自分の生活に必要となる出費を正確に把握し、将来必要になるお金、つまり貯蓄の金額を理解し、毎月の貯蓄額を貯金に回し、残った金額を取り分け、その金額は使うようにしましょう。
まとめ
「お金使えない症候群」で、お金を使うことが怖いと感じる人の多くが、幼少期から刷り込まれた経験に基づく、お金に対する負のイメージで考え方の歪みです。
そのため「お金使えない症候群」を克服するには、お金の使い方や貯金の内容を見直し、自己流の買い物ルールを設けるなどして、自分ができる克服法から着手して、お金を使う行動に移しましょう。さらに、有意義にお金を使うことも学び、お金を使う楽しさも経験して、楽しく買い物できるようになりましょう。