「トイレの水が止まらない」「ずっと流れ続けている音がする」…そんなトラブルに心当たりがあるなら、フロートバルブの不具合を疑ってみましょう。
トイレタンク内で排水をコントロールする重要部品であるフロートバルブが閉まらないと、水道代が上がるだけでなく、床への漏水リスクも高まります。この記事では、トイレタンクのフロートバルブが閉まらない原因や応急処置、交換方法までをわかりやすく解説します。自分で直せるかどうかの判断にも役立ちます。
フロートバルブとは?トイレ内での役割とは?
フロートバルブとは、トイレタンクの底にあるゴム製の蓋(バルブ)で、レバー操作によって水を流すと同時に開閉します。
通常、水を流した後は自重と水圧で元の位置に戻り、水が溜まるようになっています。
しかし、バルブが閉まらない状態になると、タンクの水が止まらず、ずっと便器側へ流れ続けてしまうのです。
フロートバルブが閉まらないと何が起こる?
以下のような問題が発生します。
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トイレの水が流れっぱなしになり水道代が激増する
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タンクに水が溜まらないため、次に水が流せない
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床への水漏れや便器内の音が止まらない
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節水トイレでも毎日100リットル以上の無駄な水が流れることも
長期間放置すると、水道代の請求が数千円~1万円以上になるケースもあり注意が必要です。
フロートバルブが閉まらない原因
1. 経年劣化・ゴムの変形
バルブの材質はゴム製が主流で、数年使うと硬化や変形を起こします。閉まりが甘くなり、隙間から水が漏れ出すことがあります。
2. チェーンの長さが合っていない
レバーとバルブを繋ぐチェーンが短すぎたり長すぎたりすると、バルブがきちんと閉まらない原因になります。
3. 異物の混入
タンクの底にゴミや水垢がたまり、バルブの接地面に隙間ができてしまう場合もあります。
4. アームの変形や部品のズレ
レバーの動きが鈍い、もしくは内部部品がズレているとバルブの動きにも支障が出ます。
応急処置方法|今すぐ水を止めたい!
手順1:止水栓を締める
タンク横か便器の下部にある止水栓を、マイナスドライバーで時計回りに回すことで水の供給を一時的にストップできます。
手順2:フロートバルブを手で押さえる
タンクのフタを外し、バルブ部分を手で押し下げて水の流れが止まるかを確認しましょう。
手応えがない場合、バルブの劣化が進んでいる可能性が高いです。
修理・交換方法【DIYでも対応可能】
必要な道具
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新しいフロートバルブ(ホームセンターやネットで1000円〜)
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ペンチまたはモンキーレンチ
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雑巾・バケツ
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軍手(衛生面のため推奨)
交換手順
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止水栓を締める
まずは水を完全に止めて作業開始。 -
タンクのフタを外す
陶器製のため丁寧に扱ってください。 -
古いフロートバルブを取り外す
チェーンを外し、バルブをつまんで引き抜きます。 -
新しいバルブを装着する
同じ位置に差し込み、チェーンの長さも調整(ややたるみがある程度が理想) -
動作確認
止水栓を開けて、実際に流してみましょう。水がピタッと止まれば成功です。
DIYで直せない場合は業者に依頼を!
フロートバルブの交換は比較的簡単な作業ですが、以下のケースでは業者依頼が望ましいです。
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タンクの構造が特殊なタイプ(節水型・一体型)
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フロートバルブ以外にも故障箇所がありそう
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自分で分解・再組み立てに不安がある
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夜間や緊急対応が必要な場合
料金相場は6,000円〜15,000円程度。
安心・確実に修理したい方にはおすすめです。
■水が止まらない状態を放置するリスク
・水道代が跳ね上がる
1時間で10L〜20Lの水が無駄に流れることも。1日なら最大500L、1週間で風呂10杯分の水に匹敵します。
・床や壁が傷むリスク
内部の湿気が原因で、タンク周辺や床下の腐食・カビが発生する可能性があります。
・賃貸なら損害賠償リスクも
借主責任で「設備を破損させた」と判断されると、修繕費を請求されるケースも。放置せず早急に対応を。
フロートバルブの寿命と交換時期の目安
フロートバルブは 使用から5〜8年程度 で交換が推奨されます。以下のような兆候があれば交換サインです。
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水が止まりにくい
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チェーンが錆びて動きが悪い
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バルブのゴムが硬化・亀裂・変形している
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レバーを操作しても反応が鈍い
節水の観点からも定期点検を!
フロートバルブの不具合は気づきにくく、長期間水が流れっぱなしになるケースが多いです。年に1回はタンク内の点検を行い、異常がないか確認しましょう。最近では節水タイプのパーツも販売されており、交換を機に節水対策を強化するのもおすすめです。
トイレタンクのフロートバルブが閉まらない原因と対処法|水が止まらない時の修理ガイドのまとめ
トイレタンクのフロートバルブが閉まらないというトラブルは、放置すれば水道代の増加や水漏れリスクを招く深刻な問題です。原因はゴムの劣化やチェーンのズレなどが多く、自分でも対処可能なケースもあります。
この記事で紹介したように、応急処置や交換方法を知っておくことで、急なトラブルにも冷静に対応できます。DIYに不安がある場合は、無理をせず専門業者へ依頼しましょう。水回りのトラブルは早期発見・早期対処が何より重要です。