ネットショッピングだけでなく実店舗での支払いもクレジットカードは便利です。
カード決済にすれば、ポイントが付き、現金をたくさん持ち歩く必要がないので普段の支払いは全部カードで済ませているという方もいらっしゃいます。
クレジットカードを使う機会が増えれば増えるほど、注意しなければならないのが、身に覚えのない請求が突然やってくる不正利用です。
不正利用から身を守るためには、犯罪者にカード情報がなぜわかるのかその方法を知識として知り予防手段を講じることがポイントになります。
さらに、自分は不正利用の被害者にはならないと断言することはできないので、万が一に備え返金補償の手順を知っておく必要もあるでしょう。
そこで、この記事では以下の点について取り上げます。
- 犯罪者がカードやカード情報を盗んで不正利用する方法
- 不正利用の被害を減らすためにできること
- 返金補償を受けるための手順
カード不正利用のリスクを出来るだけ軽減し、カードを便利に使いたいという方はこの記事を参考にしてください。
カード情報を盗み不正利用する方法
犯罪者がクレジットカードやカード情報を盗み不正利用のために使う手段には次の6つがあります。
- 紛失や盗難
- フィッシング詐欺
- スキミング
- 不正アクセス
- 詐欺サイト
- クレジットマスター
紛失や盗難
クレジットカードの紛失や盗難がカードの不正利用の原因となります。
空港やカフェなど人がたくさんいる場所にバックや財布を置いたままにして、バックや財布ごとカードが盗まれるというケースです。
スポーツジムや温泉などで貴重品ボックスに財布を入れ暗証番号を入力してロックするとき、その数字を隠しカメラや後ろからのぞき見され、施錠後にロックを解除されて財布やカードが盗まれるということもあります。
フィッシング詐欺
フィッシング詐欺は、実在する企業などの名前を使い偽の電子メールを送る、偽の電子メールから偽のホームページに誘導するなどの方法で、クレジットカード番号やアカウント情報などの個人情報を盗む出す行為です。※
※出典:総務省
パソコンのメールだけでなく、スマートフォンのメールを使ったフィッシング詐欺もあるので、どちらのフィッシング詐欺にも注意する必要があります。
たとえば、パソコンやスマートフォンにAmazonや楽天を装い以下の内容のメールを送ります。
- お客様のアカウントは停止されました
- お客様の会費の支払い方法に問題があります
- アカウント情報を更新してください
こうしたメールを受け取った側が、メールに記載されているURLをクリックし指示通りにカード情報や個人情報などを入力すれば、カード情報が盗まれます。
スキミング
スキミングとは、他人のクレジットカードやデビットカード、キャッシュカードから情報を不正に抜き取る行為です。
抜き取った情報を基に偽造カードを作成し、それを使ってショッピングや現金の引き出しをします。
スキミングでは「スキマー」というカード情報を読み取る特殊な機械を使います。
カード自体が盗難の被害に遭うのではなく、カード情報だけが抜座れるわけです。
したがって、身に覚えのない請求が来てから始めてスキミングの被害がわかるということがあります。
海外では、以下の方法でスキミングを使いカード情報を抜き取ります。
- 決済のときにクレジットカードを手渡したあとにスキミングする
- カード挿入口にスキマーを装着したATMを利用してスキミングする
現地通貨の引き出しができるクレジットカードは海外出張や旅行のときに便利ですが、利用の際には注意が必要です。
不正アクセス
不正アクセスもクレジットカードの情報を盗み出して不正利用する手段として利用されます。
不正アクセスは、 本来アクセス権限を持たない者がサーバや情報システムの内部へ侵入を行う行為です。※
※出典:総務省
悪意のある第三者は、不正アクセスをおこないサーバや情報システムを停止させたり、カード情報を含む重要情報を盗んだりします。
情報の盗み出しを目的とした不正アクセスの標的となるのは、ショッピングサイトはもちろん、カード情報や個人情報を登録する必要があるホテルやチケットの予約サイト、ゲームサイトなどです。
詐欺サイト
正規のショッピングサイトと思いカード情報や個人情報を入力し、お金を振り込んだが商品が送られてこない「詐欺サイト」による被害が増えています。
こうした詐欺サイトを利用すると、カード情報や個人情報が盗まれる、注文したものと異なる商品が届く、商品が届かず返金もされないという被害に遭います。※
※出典:福岡県警察
クレジットマスター
クレジットマスターは、カード番号の規則性を利用して有効なカード番号を割り出し、他人の有効なカードを不正取得する行為です。
カード番号は「ISO/IEC 7812」と呼ばれる規格と「BIN」と呼ばれる銀行識別番号によって生成されています。
したがって、プログラムやソフトウェアでクレジットカード番号を生成し、セキュリティコード、有効期限の組み合わせを変えて自動的に何度もテストをすることで、有効な番号の割り出しが可能となるわけです。
ECサイトの決済ページでこのテストをおこない、カードが有効と確認できれな、他のECサイトなどで不正利用されます。
このクレジットマスターによる不正利用がやっかいなのは、発行してから全く使っていないカードや、外で利用しないカードも攻撃対象になる点です。
普段使わないカードも攻撃対象になるので、状況によっては被害に気付くのがかなり後になってからということもあるでしょう。
クレジットカードの不正利用を防ぐ対策
クレジットカードの不正利用を防ぐ方法としては次のものがあります。
- 暗証番号の管理を徹底する
- カードを第三者に預けない
- ナンバーレスやICチップ搭載型のカードにする
- サイトの安全性を確認してから利用する
- カード決済をしたなら必ず通知が届くように設定する
- 利用明細を定期的に確認する
- 保有しているカードを見直す
他の人にカードの暗証番号を教えないのはもちろんですが、他の人から暗証番号入力時に番号を覗かれないようにすることもすぐできる予防策です。
カード番号が表面に刻印されていないナンバーレスのカードやICチップ搭載のカードを使うことも不正利用のリスクを軽減する効果的な方法になります。
ICチップ搭載のカードは情報が暗号化されており、スキミングの被害を減らすことができるのでおすすめです。
利用通知の設定や利用明細を定期的に確認することも、不正利用の早期発見につながります。
クレジットカードでは通常、専用アプリから利用明細を確認できるので、アプリの利用も検討してください。
クレジットマスターの被害を軽減するために、長年使わずに放置しているクレジットカードがあれば、解約を含め利用の見直しができるでしょう。
不正利用かどうかを確認する方法
利用明細を確認している際に身に覚えのない請求がある場合、すぐにカード会社に連絡するのではなく、まずは以下の方法で本当に不正利用があったかどうかを確認してください。
- 利用明細に記載されている日付・店舗を確認する
- 家族に確認する
- 自動更新サービスの継続かどうかを確認する
それぞれの方法について内容を詳しく解説します。
利用明細に記載されている日付・店舗を確認する
利用明細書に記載されている身に覚えのない請求については、日付・金額・店舗名を確認してください。
明細に記載されている日付は商品購入の日付ではなく、店舗がカード会社に請求処理をした日付、店舗から商品が発送された日付といった場合があり、実際の購入日と違う場合があるからです。
さらに、実店舗ならレシートや領収書、ECサイトなら購入履歴を見て本当に利用したかどうかを確認してください。
利用した日付や金額は覚えていても、利用明細書に記載されている名前と利用した店舗の名前が一致しないというケースもあります。
そうしたケースでは、利用明細に記載されている名前は店舗を運営している親会社、決済代行会社といった可能性があるので注意してください。
利用明細書に記載されている名前をネット検索する、利用した店舗に問い合わせするといった方法で、不正利用かどうかをチェックできるでしょう。
家族に確認する
家族カードの中には、利用明細書上で本会員の利用か家族会員の利用かを区別できないものがあります。
そうしたケースでは本会員の自分には身に覚えのない請求が混ざっているかもしれません。
したがって、家族カードを利用している方は身に覚えのない請求がある場合、家族が利用した可能性があるので家族に利用履歴を確認してください。
自動更新サービスの継続かどうかを確認する
身に覚えのない請求と思っていたが、実は解約を忘れたサブスクリプションサービスなどが自動更新されていたということがあります。
会員費が一定期間無料といったサービスを利用しており、継続利用する意思がないなら、不正利用と間違わないためにも無料期間中に解約するようにしてください。
クレジットカードが不正利用された際の対処法
先ほど紹介した方法で不正利用をチェックしたが、やはり身に覚えのない請求だったという場合、返金補償を受けるために手続きをする必要があります。
不正利用を確認したなら返金補償を受けるため、次の手順を踏んでください。
- 利用停止と再発行の連絡
- 警察への被害届の提出
- カード情報の更新
カード会社に利用停止と再発行の連絡
身に覚えのない請求が確認できたなら、カード会社に不正利用があったことを連絡し、カードの利用停止と再発行の手続きをお願いします。
一般的にはクレジットカードの裏面にインフォメーションセンターの住所や電話番号が記載されています。
さらに、カード会社に連絡する際には、不正利用と思われる請求について補償が適用されるかどうかも確認してください。
一般的にクレジットカードには不正利用時の保険が付帯しており、定められた期限内の不正利用については損害を補償してくれます。
たとえば、三井住友カードは不正利用に対し、特別なケースを除き、カード利用停止の手続きをした日の60日前から損害を補償すると説明しています。
※出典:三井住友カード
不正利用に気づいても、カード会社への連絡を後回しにすれば返金補償が受けられません。
したがって、不正利用を確認したならすぐにカード会社に連絡してください。
警察への被害届の提出
カード会社に連絡をした際に、警察への被害届の提出が必要かどうかを確認できるでしょう。
もし届け出が必要であると言われたなら、最寄りの警察署に連絡します。
連絡前に、不正利用の状況を説明できるように以下の情報をまとめておくことができます。
- 不正利用されたカード
- 不正利用のあった日付
- 不正利用があった店舗名
- 不正利用で購入された商品名
- 不正利用で支払った金額など
警察に被害届を提出すると受理番号がもらえるので、その番号をカード会社に連絡すれば、カード会社にも被害届を提出したことが記録として残ります。
カード情報の更新
カードの利用停止と同時に再発行を申し込めば、カード会社により違いがありますが、1週間から10日程度で新しいカードが届きます。
公共料金やスマホ代、キャッシュレス決済やECサイトなどの決済手段がクレジットカードの場合、カード情報を更新してください。
カードを利用停止した場合に備えて、あらかじめカードを2枚持ちするのもおすすめです。
まとめ
この記事では、クレジットカードが不正利用される5つの原因、不正利用を防ぐための方法、返金補償を受ける方法を紹介しました。
カード会社も不正利用された場合の補償を設ける、不正利用を検知するシステムで24時間365日体制で利用状況をモニタリングするなどの対策を講じています。
とはいえ、被害を未然に防ぐ最も効果的な方法は利用者自身が不正利用につながる行為を避けることです。
普段からカードの盗難やフィッシング詐欺などに注意できるでしょう。
万が一、不正利用の被害に遭ったなら返金補償を受けるためすぐにカード会社に連絡してください。