女性の薄毛でお悩みの女性は思いのほか多いようです。カラーリングやパーマ、ヘアアレンジなど、簡単に印象を変えることができる髪の毛は、女性にとって重要な身体の一部です。しかし日々の生活の中で、実は女性が薄毛になるリスクはたくさんあります。薄毛は早めに対策することで症状を防ぐことも、改善することも可能なので、対策方法を一緒に見ていきましょう。
女性にありがちな薄毛の悩み
「髪は女性の命」と言われているように、 サラサラでツヤのある髪の毛は多くの女性の憧れであり、ヘアケアに手間隙を掛けている女性は多いでしょう。
薄毛というと、女性より男性、そして年齢を重ねた世代に多いと思われがちですが、実は女性の間にも、
- 分け目やつむじが目立つ
- 抜け毛が増えてきた
などと悩む人は多く、さらに若い女性でも薄毛に悩む人は増えてきていると言われています。
女性は男性よりも髪の毛のコンプレックスに陥りやすい傾向にあるので、薄毛が気になってしまうと必要以上に他人の目を気にするようになったり、常にヘアスタイルが気になったりするだけでなく、美容院に行くのが恥ずかしくなってしまうこともあるようです。
あまりにも気になってしまうと、外出さえも嫌になってしまうほど大きな悩みとなるパターンもあるのです。
女性の薄毛の原因は?
男性の薄毛は、男性ホルモンの増加が原因とされている一方、女性の薄毛の主な原因は男性と少し異なり、主に
- 「ホルモンバランスの乱れ」
- 「頭皮へのダメージ」
- 「栄養バランスの乱れ」
の3つの原因が挙げられます。
ホルモンバランスの乱れ
まず一つ目のホルモンバランスの乱れについてお話します。女性は加齢に伴って女性ホルモンが減少するのですが、特に産後や閉経後は女性ホルモンの分泌が急激に少なくなってしまいます。
一般的に女性ホルモンは「分泌されると丸みを帯びた女性らしい体つきになる」といった働きが知られているので、「女性ホルモンと髪の毛はどう関係するの?」と思う方も多いかもしれませんが、女性ホルモンは髪の毛の育成にも深くかかわっています。
その働きに最も関係しているのが「エストロゲン」という女性ホルモンです。エストロゲンにはコラーゲンの合成を促す働きがあるのですが、コラーゲンは肌のハリや潤いを守るだけでなく、頭皮を健康に保ち、髪の毛のハリ・コシを守る働きもあるので、美しい髪の毛を維持するためには欠かせないホルモンなのです。
しかし先ほどお話したように、エストロゲンは閉経後に急速に分泌が少なくなります。エストロゲンの分泌が減ってしまうことで毛髪の成長期が短くなり、1つの毛穴から生える髪の毛が減少するといった症状が出るため、薄毛につながってしまうのです。
頭皮へのダメージ
二つ目は、頭皮へのダメージです。頭皮は日常的にさまざまなダメージを受けやすいのですが、特に注意したいのが
- 紫外線
- ヘアカラー・パーマ
- 間違ったケア
によるダメージです。頭皮は体で一番太陽に近い場所にあるうえ、常に上を向いているためとても日焼けしやすい部位です。頭皮が日焼けすると水分バランスが崩れ、頭皮も傷ついてしまうため抜け毛が進行しやすくなります。
頭皮が受ける紫外線の量は、なんと顔の2倍と言われているほどなので、外出のときは帽子をかぶるなどしてUVケアを徹底しましょう。
パーマやヘアカラーは、髪の毛の構成成分であるケラチンを溶かし出してしまう薬剤を使用するため、何度も繰り返して使うと髪の毛が細くなってしまいます。薄毛を隠すためにパーマなどをかける人も中にはいますが、返って逆効果となるのでできるだけ控えたほうがいいでしょう。
また洗浄力の高いヘアケア製品を使い続けたり、爪を立ててシャンプーしたりするなど、間違ったヘアケアも頭皮ダメージを深刻化させます。
そのほか、普段のヘアアレンジで髪の毛をきつく結ぶクセのある人も要注意です。「髪の毛をきつく結ぶと、その刺激で早く髪の毛が伸びる」という噂を聞いたことがある人も多いかもしれませんが、そうすることで髪の毛だけでなく毛根への刺激が強すぎて、髪の毛が抜けやすくなってしまいます。
栄養バランスの乱れ
三つ目は栄養バランスの乱れです。「栄養バランスの原因だと男性と同じなのでは?」と思われるかもしれませんが、女性で深刻なのが過度なダイエットによる栄養失調です。特に問題なのが、髪の毛の元となるタンパク質の摂取量を抑えるダイエット方法です。
タンパク質というと、「肉類=高カロリー」というイメージが先行しがちですが、タンパク質をしっかり摂らないと肌や髪を健康に保つことができなくなってしまうので、薄毛につながる恐れがあるのです。
基本は睡眠!十分な時間を確保!
健康的な髪の毛の成長は、質の良い睡眠と大きく関係しています。
細胞の成長や回復には「成長ホルモン」が大きく関係していますが、この成長ホルモンが多く分泌されるのは就寝中で、かつ最も活発に分泌されるのは、寝始めてから4時間と言われています。
みなさんは、途中で起きることなくぐっすり眠れていますか?また寝る直前までテレビやスマホ・タブレットなどを見ていないでしょうか?トータルの睡眠時間が多かったとしても、細切れにおきてしまっては成長ホルモンが十分に分泌されません。さらに寝る直前まで目にテレビやスマホなどでブルーライトを浴びていると、目が覚めて眠れなくなり、眠っても眠りが浅くなる恐れがあります。
先ほどお話したように、日々の生活の中で頭皮は大きなダメージを受けています。成長ホルモンは髪の毛を作る毛母細胞も同様に修復するので、睡眠不足状態では頭皮が受けたダメージを修復することができず、薄毛が進行してしまうのです。
こうならないためにも、質の良い睡眠をたっぷり取ることが大切です。ぐっすり眠るためにも、寝る1時間ほど前からテレビやスマホ・タブレットの使用は控え、アロマを焚いたり、好きな音楽を流したりするなどしてリラックスすると効果的ですよ。
ストレスの抑制が薄毛の予防に!
ストレスは万病の元とされていますが、薄毛にも深く関係しています。人はストレスを感じると自律神経のバランスが乱れ、血流が悪化してしまいます。
髪の毛の根元にある細胞は、頭皮の毛細血管から髪の毛の育成に必要な細胞を受け取って髪の毛を育てているため、頭皮の血流が悪化してしまうと、この細胞は十分な栄養を受け取ることができなくなってしまい、健康な髪を伸ばすことができなくなってしまいます。
そのほか、髪の毛の育成にはタンパク質を合成する亜鉛がとても重要なのですが、ストレスを感じると活性酸素が生じ、その活性酸素を分解する際に亜鉛を消費します。亜鉛は牡蠣やレバーなどに多く含まれますが、現代人は亜鉛不足の傾向にあるので、亜鉛が大量に消費されてしまうストレスは大敵なのです。
薄毛対策のためには、ストレスを上手く発散することが大切です。
日ごろ運動不足な人は、ウォーキングなどで軽く体を動かすだけで気分がすっきりしますし、そのほかにも家族や友人と出かける・お喋りをする、好きな音楽を聞く、ショッピングに行く、温泉に入る…など、好きなことを思いっきりやったり、リラックスしたりして体と心を休めることが大事です。
栄養バランスのとれた食生活を!
食べ物は薬ではないので「この食材が薄毛対策に効果抜群!」という食べ物はありませんが、栄養バランスの取れた食生活を送ることで薄毛対策に繋がります。中でも特に意識して摂りたい栄養素が、タンパク質とビタミン群、ミネラルです。
タンパク質は筋肉や血液、皮膚、そして髪を作る、など、まさに体を作り上げる重要な栄養素です。髪の毛の成分のほとんどが、ケラチンというタンパク質で構成されているので、ダイエットを過剰に意識してタンパク質を摂らない生活を続けていると、髪に十分な栄養が届かなくなってしまうので、髪が弱くなってしまいます。
丈夫な髪を生やすためには、肉類や魚介類、大豆、乳製品といった良質なタンパク質を日ごろから積極的に食べるようにしましょう。もしカロリーが気になる場合は、低カロリーで高タンパクの鶏のササミや豆腐などがおすすめです。
ビタミン群はとても多くの種類があり、それぞれの多様な働きで健やかな頭皮や髪の毛を作ります。ビタミンAは、細胞分裂を正常にして頭皮の健康を保つβカロテンの元となり、ビタミンB2は皮脂分泌を抑制し、細胞の新陳代謝をサポート、ビタミンB6はタンパク質の代謝・吸収を促進します。
そのほか、ビオチンといわれるビタミンB7とビタミンCは疲労やストレスの回復効果があります。
シャンプーの方法を見直してみよう
シャンプーをする際にも、薄毛対策のために気をつけたいポイントが3つあります。
シャンプー前の頭皮マッサージ
一つ目は、シャンプー前に頭皮マッサージを行うということです。頭皮をマッサージすると、頭皮の血流が促進されるほか、リラックス効果があるのでストレス解消にも役立ちます。
しかしシャンプーをしながらマッサージを行うのはNGです。というのも、頭皮や髪の毛がぬれている状態でマッサージを行うと、摩擦が激しく頭皮を傷つけてしまう恐れがあるうえ、シャンプーの成分が頭皮の毛穴に入り込んで毛穴を詰まらせてしまうからです。
頭皮マッサージのやり方は、まず爪を立てないよう、両手の指の腹をこめかみ付近に優しく当てて、円を描くようにマッサージします。
こめかみの次は頭皮全体のマッサージを行いますが、頭皮は下から上に血液が流れているので、マッサージする際は下から上に向かって行うといいでしょう。後頭部の下部から頭頂部に向かって、少しずつ指をずらしながら優しく揉むようにマッサージします。
マッサージの時間は1日3分~5分ほどが目安で、頭皮マッサージの効果をより高めたい場合は、湯船に使って全身温まっている状態で行うといいでしょう。
正しいシャンプーの方法
2つ目は、正しいシャンプーの方法を知ることです。まずはシャンプーをする前に、髪や頭皮が濡れていない状態で目の粗いブラシを使ってブラッシングをしましょう。ブラッシングをすることで髪の汚れが落ちやすくなりますし、シャンプーが泡立ちやすくなります。
ブラッシングの後は、すぐシャンプーをつけるのではなく、ぬるま湯で頭皮と髪の毛を洗いましょう。お湯の温度は熱すぎると火傷してしまうので、38度前後に設定するのがベストです。ぬるま湯で洗うことで、シャンプーが髪や頭皮に馴染みやすくなりますし、髪や頭皮の汚れの大部分を落とすことができます。
次にようやくシャンプーが登場するのですが、シャンプー剤を直接頭皮につけてから泡立てている方が結構多いのではないでしょうか。シャンプーはそのままつけると刺激が強いので、頭につける前に手で泡立ててから頭に乗せるようにしましょう。
その後は頭全体を優しく包むように泡立て、洗い残しのないようしっかりすすぎます。シャンプーの成分が頭皮に残ってしまうと、毛穴詰まりの原因になるので、すすぎは入念に行うことが大切です。
薄毛予防シャンプー
最後は、薄毛予防シャンプーの使用についてです。市場にはさまざまなシャンプーが並んでいますが、薄毛予防につながるシャンプーもバリエーション豊富にそろっています。
薄毛対策におすすめのシャンプーは、
- 毛穴を塞がないノンシリコンタイプのシャンプー
- 髪や頭皮にハリを与えてくれるアミノ酸配合シャンプー
です。また、防腐剤や合成化学物質など、頭皮によくない成分がなるべく入ってないものを選ぶことも重要ですね。
パーマやカラーリングは控えめに
先ほどもお話しましたが、パーマやカラーリングは頭皮に与えるダメージが大きいので、繰り返し行うことで抜け毛が増えて薄毛になるリスクが高まります。パーマ液やカラーリング剤が原因で、頭皮に湿疹などの肌荒れを起こしたことのある人は少なくないでしょう。
これは、パーマ液やカラーリングの薬剤は強いアルカリ性で、頭皮に強い刺激をもたらすためなのです。特に毛の根元にある毛母細胞にパーマ液などの薬剤が浸み込んで荒れてしまうと、髪の毛が新しく生えなくなるとか、抜けやすくなってしまいます。
抜け毛が気になる人はパーマやカラーリングを行うのは控えめにし、もし行うとしても間を空けるようにしましょう。
また、頭皮をいたわる面では髪の分け目を変えることも大切です。分け目は自然に決まってしまいがちですが、いつも同じ分け目だと髪の毛が常に同じ方向に引っ張られる状態に近いので、髪が抜けやすくなるのです。そうならないためにも分け目は意識して変えるようにしましょう。
育毛剤の使用も考えよう
薄毛対策には育毛剤の使用も効果的です。しかしシャンプー同様、市場にはバリエーション豊かな育毛剤で溢れているので、どれを選べばいいか分からなくなってしまうかもしれませんね。
もし産後や閉経後などホルモンバランスの乱れが原因と考えられる薄毛の場合は、女性ホルモンを調整する働きのあるカンゾウエキスやヨモギエキスなどを配合しているものがおすすめです。
他にも
- 頭皮の乾燥が気になるのであれば、トレハロースやヒアルロン酸
- 血行促進作用を求める場合は、トウガラシエキスやシャクヤクエキス
が配合されているものを選びましょう。
女性の薄毛は予防できる!【ストレス解消とシャンプーで対策?】のまとめ
女性にとって髪の毛は大切なパーツな分、薄毛は見た目が気になってしまいますし、自分の気持ちもどんどん暗くなってしまいます。しかし早めに対策をすれば、お洒落してお出かけしたり、色々なヘアスタイルに挑戦したりと、毎日を明るい気持ちで過ごすことができます。悩む前に少しでも早く対策を始めて、はつらつとした毎日を手に入れましょう。