日本では企業や労働者を取り巻く環境が急速に変化し、労働者の働く年数が以前よりも長期化しています。
こうした流れを受けて、今働いている方の中で、仕事で求められる資格や能力を新しく身に着ける学び直しに取り組みたいという方が増えています。
そして、国も補助金制度を設けて社会人の学び直しを促進しています。
学び直しを考えている社会人の中には、どんな補助金があるのか知りたいという方がおられます。
そこで、本記事では学び直しで利用可能な補助金の種類やその内容を紹介します。学び直しに興味のある方はこの記事を参考にしてください。
学び直しで利用できる補助金の種類は?申請方法も紹介
社会人の学び直しで活用できる補助金の代表的なものとして次の2つがあります。
- 教育訓練給付制度
- 高等職業訓練促進給付金
それぞれの補助金について具体的な内容を紹介します。
教育訓練給付制度
学び直しの補助金として教育訓練給付制度が活用できます。
教育訓練給付制度とは、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給される補助金制度です。
国から支援を受けられる資格や講座には以下の業種・ジャンルのものがあります。
業種・ジャンル | 資格・講座の代表的なもの |
輸送・機械運転関係 | 大型自動車第一種・第二種免許 中型自動車第一種・第二種免許 大型特殊自動車免許 準中型自動車第一種免許 普通自動車第二種免許、けん引免許 玉掛け・フォークリフト運転・高所作業車運転など |
情報関係 | Webクリエイター能力認定試験 Microsoft Office Specialist2010、2013、2016 CAD利用技術者試験、建築CAD検定 Photoshopクリエイター能力認定試験 Illustratorクリエーター能力認定試験 VBAエキスパート Oracle認定資格・LPICなどでITSSレベル1の資格 Oracle認定資格・LPICなどでITSSレベル2の資格 シスコ技術者認定などでITSSレベル3以上の資格など |
専門的サービス関係 | 中小企業診断士、司書・司書補 社会保険労務士、税理士 行政書士、司法書士、弁理士、通関士 ファイナンシャルプランニング技能検定 キャリアコンサルタント |
事務関係 | 実用英語技能検定、TOEIC、TOEFL 中国語検定試験、HSK漢語水平考試 日本語教育能力検定試験 建設業経理検定 簿記検定試験(日商簿記) |
医療・社会福祉・保健衛生関係 | 同行援護従事者研修 介護職員初任者研修 介護支援専門員実務研修等 特定行為研修、喀痰吸引等研修 福祉用具専門相談員、登録販売者試験 看護師、准看護師、助産師、保健師 介護福祉士(実務者養成研修含む) 美容師、理容師、保育士、栄養士 歯科衛生士、歯科技工士、社会福祉士など |
営業・販売関係 | インテリアコーディネーター 宅地建物取引士資格試験 調理師 |
製造関係 | 製菓衛生師 |
技術・農業関係 | 土木施工管理技士、管工事施工管理技士 建築施工管理技術検定 自動車整備士、電気主任技術者試験 測量士補 |
その他、大学・専門学校等の講座 | 修士・博士、科目等履修 履修証明プログラム 職業実践専門課程 専門職学位課程 職業実践力育成プログラム |
※出典:厚生労働省
社会人で興味がある資格や講座があるという方は、教育訓練給付制度で補助金を活用し資格取得を目指すことができるでしょう。
[ad#ad-1]教育訓練の種類により補助金の額が違う
教育訓練給付制度で給付される補助金の額は、受ける教育訓練のレベルに応じて3つの種類に分けられ、それぞれで補助金の額が違います。
専門実践教育訓練 | 労働者の中長期キャリア形成に資する教育訓練が対象 | 受講費用の50%(年間上限40万円)を訓練受講中6ヶ月ごとに支給
資格取得等をし、かつ訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は、受講費用の20%(年間上限16万円)を追加で支給 失業状態にある方が初めて専門実践教育訓練(通信制、夜間制を除く)を受講する場合、受講開始時に45歳未満であるなど一定の要件を満たせば、別途、教育訓練支援給付金が支給 |
特定一般教育訓練 | 労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練が対象 | 受講費用の40%(上限20万円)を訓練修了後に支給 |
一般教育訓練 | その他の雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練が対象 | 受講費用の20%(上限10万円)を訓練修了後 |
※出典:厚生労働省
自分が取得しようとする資格や受講する講座がどの教育訓練に該当するかは、厚生労働省のホームページからご確認ください。
高等職業訓練促進給付金
高等職業訓練促進給付金も学び直しで利用可能な補助金制度です。
ひとり親の方が看護師などの国家資格やデジタル分野などの民間資格の取得のために学び直しをする場合、その期間の生活費を支援する制度です。
補助金の支給額は以下のようになっています。
- 訓練期間中は月10万円(住民税課税世帯は月70,500円)の支給
- 訓練を受けている期間の最後の1年間は支給額が4万円増額され月14万円(住民税課税世帯は110,500円)の支給
- 訓練終了後は5万円(住民税課税世帯は25,000円)の支給
※出典:厚生労働省
高等職業訓練促進給付金の申し込みや問い合わせはお住まいの都道府県もしくは市区町村で受け付けています。
学び直しで資格取得を目指したいというひとり親の方は、ぜひこの補助金の利用を検討してください。
まとめ
この記事では、社会人の学び直しに使える補助金として教育訓練給付制度と高等職業訓練促進給付金を紹介しました。
学び直しを考えておられるなら、ぜひこうした補助金の活用を検討してください。
ふさわしい資格や能力が身に着けば、現在の職場でのキャリアアップ、転職、再就職が成功するでしょう。