「睡眠にはゴールデンタイムがある」という話を耳にしたことはありませんか?夜の10時から深夜2時にかけて眠ったほうがいいとよく言われます。
しかし一方で「睡眠のゴールデンタイムには根拠がない」という話もしばしば聞かれます。実際のところ、どちらが正しいのでしょうか?
ここでは良質な睡眠をとるためにいつ眠るべきかについて、詳しく解説します。
睡眠のゴールデンタイムとは?
「どこかで聞いたことがあるけれども詳しいことは知らない」
このような人もいるでしょう。
そこでまずはそもそも睡眠のゴールデンタイムとは何かについて解説します。
睡眠のゴールデンタイムという意味
睡眠のゴールデンタイムとは、成長ホルモンが活発に分泌される時間帯を指します。
成長ホルモンというと思春期、活発に成長するときしか分泌されていないイメージを持つ人もいるでしょう。
しかし成人してからも成長ホルモンは分泌を続けています。
ただ思春期ほど多く分泌されていません。
成長ホルモンはその名の通り、骨や筋肉など体の成長を促進させる働きがあります。
また傷を治す、血圧を下げる働きもあり、成長ホルモンが盛んに分泌されれば、いつまでも健康で丈夫な体を維持します。
さらに成長ホルモンは肌のターンオーバーにも深くかかわっているといわれています。
睡眠のゴールデンタイムにしっかり眠れれば、健康にも費用にもプラスに働く可能性が高いわけです。
睡眠のゴールデンタイムの時間とは?
睡眠のゴールデンタイムは、一般的に夜10時から翌日の深夜2時にかけてといわれています。
ですからあまり夜更かしをしたり、慢性的な睡眠不足を続けるのは好ましくないといわれています。
しかし次に詳しく見ていきますが、最近の研究などから睡眠のゴールデンタイムは何も10~2時に限るわけではないこともわかってきています。
睡眠のゴールデンタイムは嘘?本当のタイミングとは?
これまで睡眠のゴールデンタイムとして、夜10時から翌日深夜2時までといわれてきました。
しかし先ほども紹介したように、最新の研究結果を見ると夜10時から深夜2時までとは限らないことがわかってきています。
ここでは本当の睡眠のゴールデンタイムについて解説しますので、これから眠る際の参考にしてください。
睡眠のゴールデンタイムに根拠ないといわれる理由
睡眠のゴールデンタイムが夜10時から深夜2時と長らく言われてきましたが、これがどうやら嘘であるという説が主流になりつつあります。
睡眠のゴールデンタイムとは、先に紹介したように成長ホルモンが盛んに分泌される時間帯です。
しかしこの成長ホルモンの盛んに分泌される時間帯は、人によって異なります。
最近では睡眠のゴールデンタイムは具体的に決まっておらず、個人差があると考えられています。
本当の睡眠のゴールデンタイムとは?
では本当の睡眠のゴールデンタイムはいつかというと、入眠から約90分後です。
眠り始めてから90分ほど経過すると、ノンレム睡眠といって深い眠りに入ります。
このタイミングで最も成長ホルモンの分泌が活発になるといわれています。
もしこの入眠から90分経過したタイミングで睡眠の質が悪い、浅い眠りになっていると成長ホルモンの分泌が抑制されてしまいます。
その結果、健康面でも美容面でもマイナスに作用してしまう可能性があるので注意してください。
10~2時が睡眠のゴールデンタイムといわれた理由
ではなぜ「睡眠のゴールデンタイムとは10~2時の間である」という説が広く流れたのでしょうか?
これは従来の生活習慣が関係していると考えられます。
一昔前まで、多くの日本人が朝起きて夜眠る生活スタイルをとっていた人が多かったでしょう。
そしてたいていの日本人が夜の10時から0時ごろに眠りについていたはずです。
ここからノンレム睡眠に移行する時間帯がちょうど10時から2時の間だったので、この時間帯が睡眠のゴールデンタイムと考えられたわけです。
しかし現代社会では人々の生活スタイルは多様化しています。
24時間営業するお店も多くなり、昼夜逆転する人も多くなりました。
また残業や飲み会に行っていると、必ずしも0時までに眠れるわけではありません。
さらに小さなお子さんがいると育児で、なかなか夜しっかり眠れないという人もいるでしょう。
生活スタイルが多様化することで成長ホルモンの分泌される時間帯も個人差が顕著になり、10~2時が通用しなくなったわけです。
睡眠のゴールデンタイムで質の良い睡眠をとるには?
入眠して90分経過したあたりから、睡眠のゴールデンタイムが訪れると考えられています。
睡眠のゴールデンタイムに質の良い睡眠をとるためには、自分たちでいろいろと対策を講じる必要があります。
具体的に質の良い睡眠をとり、ゴールデンタイムの恩恵を最大限受けるためには以下のポイントを押さえることが重要です。
- スマホを見ない
- 寝る前にカフェインは取らない
- 食事は就寝3時間前までに
- リラックスできる環境を作る
それぞれ質の良い睡眠をとるためになぜ必要なのかについて、以下で紹介しましょう。
スマホを見ない
眠る前にスマホをついつい見てしまう人もいるでしょう。
しかしこれは質の良い睡眠を妨げかねないのでおすすめできません。
スマホからはブルーライトという光が得ています。
ブルーライトにはメラトニンといわれる睡眠を促すホルモンの分泌を妨げてしまうといわれています。
その結果寝つきが悪くなる、眠れたとしても深い睡眠に至らなくなるなどの恐れが出てきます。
ブルーライトはスマホのほかにもパソコンの画面からも出ているので、就寝前に仕事などでパソコンの画面を見るのもやめたほうがいいです。
目安としては就寝2時間前以降はスマホもパソコンも見ないように注意してください。
寝る前にカフェインは取らない
カフェインには覚醒作用があるので、眠気を覚ましてしまいます。
もし眠る前にカフェインを摂取してしまうと、目がさえてしまってなかなか寝付けなくなってしまいます。
カフェインは一度摂取してしまうと数時間程度、この覚醒効果が持続するといわれています。
ですから眠る前はもちろんのこと、数時間前からカフェイン摂取は控えたほうがいいです。
できれば夕食前くらいからカフェインの摂取は控えるように習慣づけたほうがいいでしょう。
カフェインというとコーヒーだけに含まれていると思っている人もいるかもしれません。
しかし紅茶や緑茶にもカフェインは含まれています。
紅茶や緑茶なども夜間に摂取するのは控えたほうがいいでしょう。
水や炭酸水などはカフェインは配合されていないので、夜間の水分補給に活用するといいでしょう。
食事は就寝3時間前までに
食事は就寝前3時間までに済ませるように心がけることも、睡眠対策としておすすめです。
食事をとってから消化が終わるまでにはだいたい3時間くらいかかるといわれているからです。
3時間経過せずに眠りについてしまうと、消化のために内臓や脳は働き続けないといけません。
そうなると眠りに落ちたとしても、深い眠りにつきにくいです。
またアルコールを摂取すると酔っ払って、眠たくなります。
しかしアルコールを摂取すると寝入りやすくなるかもしれませんが、睡眠の質は悪くなります。
アルコールには眠りを浅くする作用があるからです。
眠る前には食事やお酒を飲み食いするのは控えたほうがいいでしょう。
リラックスできる環境を作る
質の良い睡眠をとるためには、リラックスできる眠りやすい環境を作ることも大事です。
まずは寝具を見直してみるといいでしょう。
もし今の寝具が自分の体に合っていないと感じるのなら、見直したほうがいいでしょう。
また枕が合っていないという事例もしばしば見られます。
高さなどが合っていないと寝にくさを感じますし、睡眠の質を悪くします。
また寝室の温度も結構睡眠の質を左右する要素です。
室内の温度が高すぎても低すぎても眠りにくくさせます。
またリラックスできるような対策を講じてみるといいでしょう。
たとえば就寝前に店舗のゆっくりした音楽を聴く、アロマオイルを使ってリラックスさせてみるなどの対策は効果が期待できます。
リラックスできると自律神経の中でも副交感神経が優位になるので、入眠しやすくなります。
睡眠のゴールデンタイムに深い睡眠をとるためには生活習慣の見直しを
睡眠のゴールデンタイム中に深い睡眠ができるかどうか、健康や美容における重要なポイントです。
もしきちんと眠れないと思っているのであれば、生活習慣を見直してみるといいでしょう。
では具体的に生活習慣を見直すといっても、どのようなポイントに気をつければいいのでしょうか?
- 生活リズムを整える
- 運動する習慣をつける
- 睡眠時間はまとめてとること
- 腸内環境を整えること
それぞれなぜ気を付けると眠りの質を高められ、ゴールデンタイムの恩恵が受けられるのか、以下で解説します。
きちんと眠った気がしないと最近感じているのであれば、できるところから上で紹介したポイントを見直してください。
生活リズムを整える
生活リズムを整える、特に朝起きる時間を毎日同じ時刻に整えることは眠りの質を高めるために欠かせないことです。
同じ時間に毎日起きることで、体内時計が整います。
同じ時間に起床すれば、おのずと同じような時間に睡魔が襲ってきます。
結果的に睡眠のリズムを整えられるわけです。
たとえば翌日休みであれば、いつもよりも遅く起きたいと思うでしょう。
もしくは残業などで昨日眠る時間が遅ければ、遅く起きたいと思うかもしれません。
しかし睡眠のリズムを守って、深い眠りにつくためには何時に眠っても同じ時刻に毎日起床するのがおすすめです。
運動する習慣をつける
もし最近運動不足気味であれば、運動する習慣をつけるといいでしょう。
運動することで、心地よい疲労感が現れます。
体が疲れていると、おのずと眠りやすくなり、眠りの質も向上するでしょう。
具体的にどのような運動をすればいいか、それは軽めの運動を長時間行うことです。
別に筋トレなど、負荷の高い運動をする必要はありません。
おすすめなのは有酸素運動です。
ジョギングやウォーキングなど、少し息が上がる程度の運動がおすすめです。
そのほかにはストレッチなどを1日15分程度でもいいので行うだけでも、眠気はだいぶ変わってくるでしょう。
筋トレも腹筋や腕立て伏せなどの自宅でできるトレーニングをちょっと行うといいでしょう。
もちろん忙しくて、睡眠時間自体がかなり少なくなっているときには運動する必要はありません。
しかし時間的に余裕があれば、運動してみるといいでしょう。
仕事が忙しくて運動する時間を確保できなければ、スキマ時間を利用してみるといいでしょう。
たとえば帰宅時、最寄り駅の一つ前で降りて自宅まで歩いて帰るだけでもなかなかの運動量になるはずです。
そのほかにも普段エスカレーターを使っているのなら、階段で移動するのも運動になります。
睡眠時間はまとめてとること
睡眠時間ですが同じでもまとめて寝たほうがこまめに眠るよりも、メリットが大きいといわれています。
というのも細切れで睡眠するとノンレム睡眠の時間が短くなるからです。
ノンレム睡眠が少なくなるとゴールデンタイムの確保が難しくなります。
もし夜しっかり眠っていない自覚があれば、そのほかの睡眠を見直しましょう。
たとえば昼寝や通勤中電車やバスで眠る癖のある人は、これが夜の睡眠の質を妨げている可能性があります。
腸内環境を整えること
腸内環境と睡眠のゴールデンタイム、一見すると全く関係ないかもしれません。
しかし最近の研究で、実はこの両者には密接な関係のあることがわかりつつあります。
腸内環境を整えるために、善玉菌を増やすことが大事です。
具体的には乳酸菌を日ごろの食事で摂取するように心がけましょう。
もし忙しくて外食続きであれば、サプリメントで必要な栄養分を摂取するといいでしょう。
おすすめなのはラクトフェリンです。
ラクトフェリンは天然の抗菌成分といわれていて、腸内環境を整える効果があるといわれているからです。
さらにサンスターの調査によるとラクトフェリンを摂取して2週間経過すると、睡眠感の改善や翌朝の疲労感の提言が確認されたそうです。
睡眠のゴールデンタイムは嘘?眠る時間によってメリットが違う?のまとめ
睡眠のゴールデンタイムは夜10時から深夜2時までの間と長らく言われてきました。
しかしこれは必ずしも正しくなく、入眠から90分以降成長ホルモンが活発に分泌されるのでこれがゴールデンタイムと考えられるようになりつつあります。
入眠からいかに深い睡眠がとれるか、成長ホルモンをしっかり分泌するために必要なことです。
ここで紹介した対策をしっかり実践して、成長ホルモンがしっかり分泌できるような土台づくりを整えてください。